「ピケティは韓国、中国、日本、台湾などアジア各国が経済的に成長した理由は、外国から巨額の投資の利益を受けたからだと主張した」
韓国国防部が「漫画で読むピケティの21世紀の資本」(以下、「21世紀の資本」)を韓国軍の売店で販売禁止とした理由は、この「一文」のためであったと今月4日に確認された。国防部は今年1月から軍の売店で販売された同書など5点の書籍を「政訓・文化活動訓令」に基づき審議した結果、販売に不適切として5月末に取り除いた。
国会国防委員会所属の正義党キム・ジョンデ議員がこの日、国防部から入手した資料によると、軍の売店の図書事業を実施する国軍福祉団が「21世紀の資本」を軍の売店から除いた理由は「軍の政訓教育の方向性に背く内容を含む資料」であるためと明らかにした。国軍福祉団関係者はこの日、ハンギョレの電話での問い合わせに「軍の政訓教育では韓国の経済成長を国家と国民の努力で成し遂げたことを教えているのに、この本では外国の投資の利益という部分が強調されたため」と明らかにした。
国軍福祉団は他4点の図書を販売禁止としたことについても「軍の政訓教育の方向性に背く」「軍を歪曲し、軍の士気を阻害する」「国家のアイデンティティを否定し、政府の政策および国防政策を非難する」などの根拠を挙げた。
このような根拠は「作り話」である小説にも例外なく適用された。国軍福祉団はキム・ジンミョン作家の小説「文字戦争」にある、「ひとたびカネを抱き込ませればその後どんな契約違反もうるさく言うことなく軍人がすべて承知で処理するうえに、欠陥が発生しても元来軍は上司の命令に服従する組織なので覆い隠してしまったりした」「(身分の)高い奴だろうが低い奴だろうが、とにかく軍人どもは食わせなければならない」という部分が、軍を歪曲し軍の士気を阻害する材料に該当すると明らかにした。この他にも朝鮮戦争における米軍の責任を問う「隠れた韓国現代史1」と「米軍政が韓国単独政府樹立を推進した」という記述のある「一晩で読む韓国史」も「軍の政訓教育の方向性に背く」と説明した。戦時作戦統制権の移管を延期したことを批判した「刃の上の歴史」は「国防政策を非難する資料」に該当するとし禁止処分となった。
キム・ジョンデ議員は「このような検閲は将兵たちの知的レベルを過小評価した結果」とし「自分で信じられない軍隊でない限りは不必要な検閲を乱発すべきでない」と話した。
韓国語原文入力:2016-08-04 21:05