28日に公式発足した「和解・癒やし財団」のキム・テヒョン財団理事長(誠信女子大名誉教授)は、発足初日の記者会見から苦境を立たされた。
同日午前、財団事務室があるソウル中区巡和(スンファ)洞のバビエンⅡでは、大学生のデモ隊約10人が「慰安婦被害者を無視した財団の設立に反対する」と会見場を奇襲占拠したことで、記者会見の開始が30分以上遅れるなど支障が出た。
警察が大学生らを建物の外に引きずり出してからようやく始まった記者会見で、キム氏は「生存している慰安婦被害女性40人のうち37人に直接会った」としたうえで、「ハルモ二(お婆さん)たちの心の苦痛を癒やすのに最善を尽くす」と述べた。キム氏は「合意に満足できるほどではないかもしれないが、多くの方々が財団設立を支持してくださった。『私が生きている間に合意してくれてありがとう』、『合意に必ずしも満足しているわけではないが、政府はそれなりの役割を果たした』などとおっしゃっていた」と付け加えた。キム氏は今後の財団の事業内容に対して、被害者たちの希望に「合わせた支援」を行うと強調した。キム氏は「被害者の意見を聞いてみると、支援してもらいたいことが様々だった。住居支援金を希望する方もいれば、子供に残したい方もいて、またある方は国に奨学金として寄付するなど、当事者の希望に『合わせた支援』を行う予定」だと話した。日本から受け取ることにした10億円の使途についても、被害者たちの癒やしと回復のために使用することを再確認した。キム氏は「10億円を奨学事業に使うという報道は誤って伝わったもので、ありえないことであり、事実ではない。財団事業の目的は被害者の名誉と尊厳であって、奨学金ではない」と強調した。また、これまで論議になった定款の非公開問題についても、「直ちに財団のホームページを作り、定款を確実に公開する」と明らかにした。
記者会見を主管した女性家族部が急いで会見を終えようとすると、あるメディアの記者が「質問を5つしか受けないのか」と激しく抗議する場面もあった。同日のデモは奇襲占拠で終わらなかった。記者会見を終えて建物を出たキム理事長らは、ある男性からカプサイシンを顔にかけられ、病院へ運ばれて治療を受けた。
韓国語原文入力: 2016-07-28 16:49