今月4日に政府が発表した新しい国家ブランドの「クリエイティブ・コリア(Creative Korea)」のロゴが、フランス貿易投資振興庁の国家産業ブランド「クレアティブ・フランス(CREATIVE FRANCE)」を盗作した疑惑が広がっている。デザイン界から「事前の検証が不十分だった」と指摘する声もあがる。
共に民主党のソン・ヒェウォン議員(広報委員長)は6日、党非常対策委員会の会議で「悲劇的な情報提供を受けた」として、「『クリエイティブ・コリア』がフランスの『クレアティブ・フランス』を盗作した」と暴露した。 広告・広報の専門家でもあるソン議員は、フランス側のロゴを韓国側のものと比較しながら「新しい国家ブランドの『クリエイティブ』と『コリア』という文字に使われた赤と青は、フランスの国旗の色だった」と主張した。
ソン議員は「光復70周年を迎え、35億ウォンをかけて作り上げ、1年間、各界の専門家が作業したそうだ。 (このような公募展を審査する)専門家たちは類似したものあるかどうか、通常1週間から10日間をかけて確認する。にもかかわらず、今回のようなとんでもないことが起きた」と批判した。ソン議員は「デザイナーとして自分が恥ずかしくなるほどで、これを最終決定した大統領も恥ずかしくなる」、「2016年のリオ五輪と2018年平昌(ピョンチャン)冬季五輪にも使用するそうだが、直ちに(使用を)中止しなければならないことになった」と指摘した。同党のウ・サンホ院内代表も「国家的な恥さらしだ。必ず国会で追及する」と述べた。
波紋が広がると、文化体育観光部は6日、報道資料を通じて「フランス側のロゴとは性格と内容が異なる」と釈明した。文化体育観光部は(韓国とフランスの)ロゴカラーに類似した点があるとしながらも、「事業の推進に当たって、太極(韓国国旗のイメージ)の『赤と青』をモチーフにしたデザインを使用してきたため、盗作ではない」と主張した。 文化体育観光部は「専門家たちとフランス側のロゴとの類似性を検討した」とした上で、「フランスのロゴは、自国の創意性を浮き彫りにしたグローバルなビジネスのキャンペーンのスローガンだったが、韓国の今回のブランドロゴは、国民の意見を集約した核心的な価値に基づいて定めた内容であるため、類似していないものと判断した」という主張も展開した。
しかし、デザインの専門家らは、政府が他国の似たようなブランドをきちんと比較検証をせず、盗作疑惑を自ら招いたという反応を見せた。 評論家のチェ・ボム氏は「二つのロゴには類似した部分が多く、盗作疑惑を持たれても仕方がないような気がする。欧州などで政府の新しい国家ブランドと類似した様々な国家ロゴが使われてきたのに、なぜそれを排除せず似ていたロゴを使ったのか、納得が行かない」と指摘した。「月刊デザイン」のチョン・ウンギョン編集長も「クリエイティブは現在、全世界的に象徴ロゴなどに広く使われる用語となった。似たようなスローガンが出る可能性が予想できたにもかかわらず、十分に検討せず採択したようだ」と指摘した。
韓国語原文入力:2016-07-06 17:06