「想像してみてください。あなたが女性で今妊娠中だとして、毎日急な山を2キロも歩いて登り、一日中畑で働かなければなりません。その時、急に産気づいたら」
インドネシアの農村で社会的企業「トゥアニャム」を運営するメリア・ウィナタさんは、一人の女性の事例を紹介した。「彼女はその日も畑で働いていました。病院まで2時間かかりました。結局、路上で出産しました。子供は生まれると同時に亡くなりました」
インドネシアの農村地域では、妊婦300人に1人が、胎児40人に1人が死亡している。そうした遅れた故郷の村でメリアさんは、農作業の代わりに手芸品を生産する職業を女性たちに提供している。住民とぶつかりながら村を変えようとしている。
15日午後、ソウル市庁8階の多目的ホールに、メリアさんのようなアジアの青年たちが集まった。香港、台湾、日本、ベトナム、インドネシア、カンボジア、タイ、韓国の青年社会革新家15人が講演を行った。各自の経験や思索を横断する主題は「青年は村で道を探す」。ハンギョレ新聞社が主催し、週刊「ハンギョレ21」、ネットワーキング・スタートアップ・シダッが主管し、ソウル市が後援する第3回アジア青年社会革新家国際フォーラムでのことだ。
各国の青年社会革新家は、社会的企業として利潤を創り出すと同時に、それを再投資して後れた村の共同体を復元した事例を発表した。ベトナムの少数民族出身のシュタンさんは、14歳から路上で物売りをしていたが、自身を含め村の人々がいつまでも路上に座っているだけではいけないと考えた。ベトナムのサパ地域にある社会的企業社、サパオチャウを運営する彼は、村でホームステイを兼ねた旅行事業を始めた。事業で得た収益は、文盲教育など村おこしのための多様なプロジェクトに再投資している。
この他にもタイの公正貿易カフェ「アカアマコーヒー」、ベトナムの公正旅行企業「サパオチャウ」、カンボジアの農村カフェ「キニェ・インターナショナル」、台湾は台中の旧都心で事務空間をレンタルする「ヘプンコ・ワーキングスペース」などを創った青年たちが、自らの経験やノウハウを伝えた。市民、非営利団体活動家、社会的企業家、学生など400人余りの聴衆がこの日のイベントに参加して、社会的経済の貴重な経験を共有した。