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セウォル号犠牲者遺族とパリ同時テロ被害者団体が痛みを共有

登録:2016-05-17 09:13 修正:2016-05-17 09:40
世界の大惨事の被害者連帯会議 
10月にソウル開催を検討
13日、ソルボンヌ大学パシュラル講堂で開かれたセウォル号遺族の講演会=ジン・ビョングァン氏撮影//ハンギョレ新聞社

 セウォル号犠牲者遺族がフランスの被災者たちと提携し、世界の大惨事の被害者たちが連帯する国際会議を、早ければ今年10月、ソウルで開催する案を推進することにした。実現すれば世界初の被災者連帯の集いが構成される見通しだ。

 3日からヨーロッパ巡回訪問を始めた4・16家族協議会と4・16連隊は、ドイツ、バチカン、ベルギー、イギリスに続き、14日(現地時間)に最後の訪問先フランスのパリ同時テロの被害団体連合(FENVAC)の事務所で、フランスの被害者団体と会って痛みを分かち合い、共同対応を議論した。

 この場で、出席者たちは災害の被害者たちの国際的連帯策を議論し、今後の三つの具体的な目標を合意した。第一に、国連傘下機関の国際民間航空機構(ICAO)が航空機運航の安全規定を作り、各国の履行を強制するよう船舶運航の分野にも似た機能の国際機関を作るよう働きかける。第二は、世界のすべての災いやテロ被害者、遺族が、事故収拾と真相調査、被害救済の過程において実質的権利を保障する人権宣言を採択し、各国がそれに見合った法制を整えるようにする。

4・16家族協議会、4・16連隊、フランスのテロ被害団体連合(FENVAC)とパリ同時テロ被害者家族協会「博愛と真実」執行部役員たちとの記念写真=ジョン・ユジン氏撮影//ハンギョレ新聞社

 両国の出席者たちは議論を深めるため、今年10月、ソウルで世界の大惨事の被害団体が参加する国際会議を開くことでも意味が一致した。ソウル開催案は4・16家族協議会が先に提案し、ステファン・ジクエルFENVAC事務総長が喜んでこれに同意した。4・16家族協議会は今回のヨーロッパ訪問で出会ったエストニア号の被害団体、英国ヒルズボローの被害者団体、そして、これまで絆を結んできた日本の福島の被害団体が連帯会議で一緒になれるだろうと明らかにした。

 昨年11月、パリ同時テロの被害者家族で構成された「11・13、博愛と真実」、FENVAC、そして「災難緊急救助(SOS Catastrophes)」などフランスの災害被害者団体は、セウォル号の家族に会う2週間前から、この意味深い出会いがどのような実を結べるか議論してきたと明らかにした。

セウォル号の家族とフランスFENVAC執行部が世界の惨事の被害者団体の国際会議を10月にソウルで開くことで意見を集約した後、拍手で歓迎している//ハンギョレ新聞社

 ユ・ギョングン4・16家族協議会執行委員長は「今回のヨーロッパ訪問で今後10年はびくともせず堪えていくことができる力を得た」、「パリでの日程は、これに先立つドイツ、バチカン、ベルギー、英国訪問で築きあげた成果を一つに束ねてもたらした結晶」と語った。

 これに対し京畿道安山の4・16家族協議会執行部の関係者は16日、「ユ・ギョングン執行委員長が帰国した後、17日に執行部会議でより具体的な論議をする予定」とし、「先日、そういう話を聞き共感を持って議論しているが、まだ公式の立場を打ち出せる段階ではない」と話した。

 FENVACが災難被害者の国際協力と連帯に積極的なのは、FENVAC自体が連帯の力を立証する具体的証拠物だからでもある。1994年に列車事故で息子を失ったある父親が、それぞれの大事故の被害者たちが苦痛の中で一人寂しく各自の闘争をしている姿を見て連帯の必要性を感じ、当時8つの大型の事故被害者団体を集めた全国の被害団体連合を作った。

 翌年、彼らは議会を圧迫して、公共場所や公共交通機関で発生した集団事故の犠牲者協会が直接捜査と裁判過程に参加できる法案を用意した。2002年には住居空間や職業空間での大型の被害団体にも、この権利を拡大適用させることに成功した。昨年11月にパリのテロ被害者家族が協会を作り、最近、テロ被害者団体も同じ権利を保障する法案が通過されるよう支援した団体もFENVACだった。11月、テロ被害者家族団体「博愛と真実」は現在70あるFENVACの会員団体でもある。

ヨーロッパを訪問したセウォル号遺族たちが14日(現地時間)、フランス・パリのエッフェル塔前の広場でセウォル号事故の真相究明を求めるキャンペーンを行っている中で、フランスの人たちが芳名録に遺族を慰労し支持する文章を書いている//ハンギョレ新聞社

 セウォル号犠牲者家族の代表たちは、これに先立ち、13日にはソルボンヌ大学で映画「悪い国」の上映と遺族の講演会を開いた。席が不足した会場に50人余りが入場できずに外で待つほどの盛況だった。遺族代表団は、セウォル号遺族の真実を知るための努力が韓国社会をどう変えているか説明し、自分たちの活動が、二度とこのような悲劇を繰り返させないためにあることを強調した。

 フランスのある市民は、自分がもし韓国の青年だったとすれば、既成世代に大きな怒りを感じただろうけど、この事件が韓国の若者たちにもたらした変化はないのか尋ねた。これに対してユ・ギョングン執行委員長は、4・13総選挙で20代の投票率が急激に高まったのが(家族活動の)具体的な結実であり、与党過半数割れという政治地形変動の実質的な動力だったと答えた。

 これに先立ち午前にセウォル号の家族とFENVACが合意した成果を伝えると、場内では力強い拍手がわき起こった。席を埋め尽くした韓国人とフランス人は「真実は沈没しない」という歌を韓国語とフランス語で相次いで歌い、励ましあった。

パリ/モク・スジョン(在仏作家)(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-16 22:11

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/744024.html 訳Y.B

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