最も重要な目的は中国牽制
朝鮮半島防衛軍の性格から抜け出して久しい
在韓米軍司令官は「およそ50%負担」と言ったが
不動産など間接費用を合わせれば65%
公示地価5%以下で低評価
まともに計算すれば「70%超」
米共和党大統領選候補に確定したドナルド・トランプ氏が「国外の米軍駐留費用は全て駐留国側が払わなければならない」と主張して、韓国が米国に払っている在韓米軍防衛費分担金の規模と負担比率に関心が集まっている。
■在韓米軍は朝鮮半島防衛しているだけなのか?
トランプ氏の主張は、在韓米軍は韓国を守るために駐留しているのであり、その受恵者である韓国が駐留経費の100%を払わなければならないということだ。 しかし、これは在韓米軍駐留の最も重要な目的が、韓国の防衛より北東アジアにおける米国の経済、政治、軍事的利益の保護にあることを無視した発言との指摘が多くされる。 米国は2011年に中国牽制のための「再均衡政策」を公式化した後、オーストラリア、フィリピンに米軍を循環配置している。 在韓米軍も2006年1月、韓米政府の「戦略的柔軟性」合意以後、朝鮮半島防衛だけのための据え付け軍の性格から抜け出して久しい。
問題はトランプ氏の同盟国「ただ乗り論」を突出的発言として片付けられるかという点にある。 韓国軍当局者は6日「莫大な財政赤字で防衛費削減の圧迫を受けている米国の状況などとあいまって、米国内で同盟国の寄与拡大を要求する声が高まりうる」として「韓国の立場を説得力をもって説明する論理の開発などの備えが必要だと考える」と話した。
■韓国の実際の負担率は70%以上
昨年韓国が支払った防衛費分担金は9320億ウォン(約863億円)だ。 2014年2月に妥結した韓米防衛費分担金交渉結果によるものだ。 当時の合意内容は2014年の防衛費分担金を9200億ウォンとするものの、2014~2018年の5年間は消費者物価の上昇に応じて毎年引き上げることとしている。 防衛費分担金が初めて導入された1991年の1073億ウォンからは9倍に増えた金額だ。
米国は防衛費分担金が在韓米軍駐留費用の半分に当たると評価している。 ビンセント・ブルックス在韓米軍司令官は4月19日、米上院の承認聴聞会で「韓国は昨年防衛費分担特別協定(SMA)を通じて在韓米軍駐留費用の50%程度を負担した」と述べた。
しかし、韓国が実際に負担している費用はこれよりはるかに多い。 韓国政府が防衛費分担金以外にも不動産支援、各種税金および公共料金の減免など恩恵を提供しているためだ。 韓国の市民団体「平和と統一を開く人々」が2013年に入手し公開した米国防次官室の「2012会計年度予算運営維持費総攬」によれば、2010年に米国防総省が支出した在韓米軍駐留費総額(米軍および軍属の人件費を除く)は7億7330万ドル(8939億ウォン)だ。 反面、韓国国防部の国会報告資料によれば、韓国政府は同じ年に在韓米軍に防衛費分担金7904億ウォン以外にKATUSA(在韓米軍に配属される韓国人兵士)、警察支援、不動産支援、基地周辺整備など直接支援費657億ウォンと土地賃貸料評価、税金減免、公共料金減免、道路・港湾・空港利用料免除、鉄道輸送支援など間接支援費8188億ウォンを支援しているため総支援費は1兆6749億ウォンに達する。 これによれば韓国が在韓米軍駐留費用の65.1%を、米国が34.9%を負担しているわけだ。
「平和と統一を開く人々」のユ・ヨンジェ米軍問題チーム長は「これらの数値も在韓米軍に供与された土地が公示地価の2.5~5%で低評価された数値」として「このような点を考慮すれば、実際には韓国が在韓米軍駐留費の70%以上を負担している」と話した。