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IOC、平昌五輪競技場建設の賃金未払いを調査

登録:2016-05-05 07:59 修正:2016-05-05 09:33
建設労組、国際労働連合通じ内訳提出 
昨年の賃金未払い135億ウォンと推定 
組織委員会「資料要請あれば応じる」
3月14日、江陵で平昌冬季五輪フィギュアとショートトラック競技場のアイスアリーナの工事が進められている。冬季五輪の準備状況を点検するため16日まで開かれる第6回IOC調整委員会の委員らはこの日、江陵アイスアリーナの建設現場を訪問して点検した=江陵/連合ニュース

 国際オリンピック委員会(IOC)が、平昌(ピョンチャン)冬季五輪競技場などの建設過程で発生した賃金未払いについて調査を行っていることが分かった。平昌五輪と関連して昨年発生した未払い賃金は135億ウォン(約12億4880万円)に達する。

 4日、全国民主労働組合総連盟の建設産業労働組合によると、IOCは先月11日、国際建設木工労働組合連盟(BWI)に、平昌五輪の賃金未払いに対する具体的情報を要請しており、先月25日、建設労組は昨年発生した賃金未払いの詳細内訳(工事名、発注先、施工会社、未払い額)を国際建設木工労連を経由してIOCに提出した。

 IOCの今回の調査は、国際建設木工労働連合が平昌五輪の現場で発生した賃金未払いに対する調査を要請したことによるもの。国際建設木工労連は130カ国326労組の建設、資材、木工、林業労働者1200万人が加入した労組連盟だ。ワールドカップやオリンピックなど大型スポーツイベントで発生する産業災害などの労動権侵害を監視し、予防するキャンペーンを繰り広げてきた。国際建設木工労連のアムベット・ユーソン事務総長は昨年2月に韓国を訪問し、「ロシア・ソチ冬季五輪の準備過程で70人余りが、カタールワールドカップでは1000人(非公式統計)を超える労働者が死亡した前轍を踏まないため、韓国政府に産業安全に対する包括的な協定の締結が必要だ」と強調している。英国の建設労組は、ロンドン五輪で誘致の段階から英国政府と協約を締結し、競技場の建設過程、産業安全モニタリングを行った。

 これと関連し、平昌冬季五輪組織委員会の関係者は「IOC調査についてはまだ組織委員会レベルでは聞いていない状態であり、資料要求や立場を求めてくれば整理して提出する計画」と明らかにした。

 建設労組が調査した結果では、昨年、平昌五輪と関連して発生した賃金未払いは135億ウォンに達する。このうち、江原道庁とLHの工事で発注された工事の滞納額が約55億ウォン(約5億円)で最も多く、韓国南部発電が約45億ウォン(約4億1600万円)、このほか鉄道公団、道路公社、国土管理庁が発注した工事でも未払いが発生した。そのうち多くが労働者らの工事の中断を通じて解決したものの、旌善(チョンソン)の中峰(チュンボン)アルペンスキー場の未払いは昨年9月から現在まで一部が解決されていない。江原道庁の関係者は「道別の滞納額の70%を受け取る形で施工会社と合意した労働者がいたり、まだ合意に至らなかった労働者もいる」、「問題解決に向け引き続き協議している状況」と話した。

 建設労組は賃金未払いの原因が、公共機関ー元請け業者ー下請け業者ー労働者と続くなかで発生する“動脈硬化”にあると見る。一部の賃金は元請け業者が、一部の賃金は下請業者が支給するが、この過程で元請けや下請に資金の問題が生じれば、大量の未払いが発生する。未払いは工事中断と工期遅延をもたらす。建設労組の江原道本部関係者は「公正取引委員会が、賃金を発注先が下請業者に支払うよう指針を下したが、これは誤った政策」と指摘し、「ソウル市のように発注先が賃金を労働者に直接支給するシステムが構築されなければならない」と話した。

パク・テウ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-04 21:08

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/742459.html 訳Y.B

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