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日本政府、慰安婦合意に「少女像撤去も含まれる」

登録:2016-04-27 23:13 修正:2016-04-28 06:39
「慰安婦合意」の前提条件との主張繰り返す 
言及されていないという「朴大統領の発言」に反論
昨年12月30日、ソウル鍾路区の日本大使館前で「平和の蝶」などの大学生が、慰安婦問題の再交渉と日本政府の法的責任を認めること、少女像の移転反対を叫んでいる=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 駐韓日本大使館前の「平和の少女像」(少女像)撤去問題が日本軍「慰安婦」被害者の問題に関する韓日政府間の12・28合意内容に含まれているかどうかをめぐり、両国政府が対立している。

 日本政府は27日、「少女像撤去」が12・28合意に実質的に含まれているという公式見解を明らかにした。前日、朴槿恵(パククネ)大統領が報道機関の編集・報道局長懇談会で「少女像撤去は本当に合意で全く言及もされていない問題」と発言したことに対し、真正面から反論したもので、今後12・28合意の履行と韓日関係にかなりの波紋を呼ぶものと見られる。今年上半期中に慰安婦被害者のための支援財団設立など、合意の履行を加速化させようとしていた両国政府の前途に、予期しなかった障害物が立ちはだかっている。

 萩生田光一・官房副長官はこの日の定例記者会見で、少女像の撤去をめぐる前日の朴大統領の発言について尋ねられ、「(少女像の撤去が)合意の前提かということになれば、そういった細かいことを字句的に確認し合ったわけではなく、やはり、この問題を最終的かつ不可逆的に(解決し)次世代に引きずらない、日韓の新時代の新しい関係を築いていこうというのが、(今回の)日韓の合意の大きな意義だ。(だから)そういう意味では細かいことの一つとして、(少女像撤去の問題も)そういうことに含まれていると認識している」と述べた。「少女像の撤去」が12・28合意内容に含まれており、この問題が本格的な合意履行の事実上の「前提条件」という趣旨の回答だ。

 萩生田副長官の会見は、政府報道官の菅義偉・官房長官に代わって行われたもので、日本政府の公式見解を示す形のものと言える。

 これに対して韓国外交部は報道官ブリーフィングやコメントなど公式の反応を出していない。ただし、外交部当局者は「これまで再三明らかにしてきたように、駐韓日本大使館前の少女像は、民間が自主的に設置したもので、政府が指図できるような事案ではない」と述べた。「少女像撤去」の問題は、韓国政府の所管事項ではないということだ。

 韓日政府のこのような相反する「解釈」は今回が初めてではない。合意直後にも岸田文雄外相が記者会見などで「少女像は、移転されると認識している」と重ねて述べるなど、「少女像を撤去」するかどうかが、12・28合意をめぐる“解釈闘争”の核心争点として浮上した。これは、関連文言の曖昧さに起因すると同時に、12・28合意の脆弱性を重ねて露呈したものでもある。両国政府が合意した文言は、「日本政府が駐韓国日本大使館前の少女像に対し、公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて、適切に解決されるよう努力する」として、異なる解釈を可能にする「外交的あいまいさ」を内包している。

 韓日外交当局は、議論の末に「少女像の撤去」問題が両国関係の懸案であることを公論化したレベルで、一旦(それ以上の議論)を止めることで「外交的黙契」を結び、しばらくこの問題を公論化していなかった。ところが、朴大統領が「少女像撤去は合意に言及されていない問題」と強調したことを受け、日本政府が自国の保守世論を意識し、外交的負担を冒して公開反論を提起したものと見られる。ただし、日本の外務省はこの日、夜遅くまで、韓国メディアに対し「萩生田副官房長官の発言が誤って伝えられている」として、外交的波紋を最小限に抑えようと必死だった。

 今回の議論を通じて、12・28合意と「少女像の撤去」問題をめぐる韓日政府の「本音」が比較的明確になった。要するに、韓国は「合意の履行と少女像の存置」、日本は「合意の履行と少女像の撤去」を目指しているのだ。韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)など、韓国の市民社会は「少女像撤去に反対、合意の無効化」を求めている。

イ・ジェフン記者、東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-04-27 19:15

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/741531.html?_fr=mt2 訳H.J

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