注文後1分14秒後に出されると
マネージャーは「秒管理しろ」と責め立て
「火傷をしても機械のように仕事をして
労災申請を要求すると辞めろの一点張り」
使用側「無理な時間ではない」
「ビッグマックセットを注文されたお客様!」
スマートフォンを操作していて2秒ほどためらっていた間に、アルバイト店員は一層大きな声でもう一度叫んだ。 秒単位で労働が統制されるマクドナルドで、2秒の浪費は大きな負担だ。アルバイト店員はビッグマックセットを渡すやいなや、慌ただしく厨房に消えた。
ソウル鍾路区のあるマクドナルドの売場を11日昼に訪れた。売場は昼食のために来た客で混みあっていた。 マクドナルドの代表メニュー「ビッグマックセット」を注文してストップウォッチを押した。 注文してから決済までに20秒14かかった。「右側でお待ち下さればすぐに準備いたします」。注文を受けるアルバイト店員の背中越しに、厨房でハンバーガーのパンの間に肉パティとトマトを忙しく入れている別のアルバイト店員の姿が目に映った。 「ビッグマックセットを注文されたお客様!」。アルバイト店員の呼び出しに合わせて押したストップウォッチは53秒91を示していた。 注文時間まで含めれば合計1分14秒05かかったわけだ。 その間にアルバイト店員はジリジリしながらもう一度顧客を呼び出した。
世界的なファーストフード企業マクドナルドの韓国支社は、売場で注文後45秒以内にハンバーガーを作り、顧客は1分15~20秒前後で完成されたハンバーガーを受け取れるように決めている。 悪名高い「45秒ハンバーガー政策」だ。 マクドナルドの厨房で仕事をするK氏は「少しでも注文が遅滞すればマネージャーが『秒管理しろ』と指示をする。 その結果、熱いパティで手に火傷をしながら仕事をしなければならない」と話した。 労働強度は高いが、支給される安全装備はビニール手袋だけだ。
マクドナルドは配達時間も統制している。 注文が入ってから製品がライダー(配達社員)に伝えられるまで、すべての過程を7分30秒以内に完了しなければならない。 移動時間(10分)を含めて顧客には17分30秒以内に配達を終えなければならない。 交通法規に違反して無理に走りケガをするライダーが後を絶たない理由だ。 最近までマクドナルドでライダーとして仕事をしていたソさん(28)は、「時間に間に合わせるには信号無視や歩道走行をせざるをえない。 違反の罰金も自腹で出した。 一度は急いで運転して倒れて足首を負傷したが『労災申請をする』と言うとマネジャーから『それならもう辞めろ』と言われた」と話した。
アルバ労組はこの日、ソウル鍾路区の韓国マクドナルド本社前で記者会見を行い、45秒ハンバーガー廃止▽17分30秒配達制廃止▽ネットキャップ、靴、ユニフォームの洗濯費用支給▽作業用手袋と腕カバー支給などを要求した。 今月14日の「世界ファーストフード労働者の日」を控え、30余カ国の労働者と共に共同行動に出たのだ。 アルバ労組はこの日、45秒ハンバーガー廃止など10の案件に対する団体交渉を要求する公文書をマクドナルド側に手渡そうとしたが、社員に阻止された。 アルバ労組が公文書を手渡そうとして阻止されたのは2月26日以来これで8回目だ。 韓国マクドナルド側は、アルバ労組は韓国マクドナルドとは関係のない団体であり、団体交渉権限がないという立場だ。
この日、韓国マクドナルドはハンギョレに「45秒ハンバーガーと17分30秒配達制はガイドラインであって強制事項ではなく、ハンバーガーを作るのに無理な時間でもない」と話した。 また「売場が工事現場でもないのに作業用手袋と腕カバーを支給する程に危険ではない。 家庭で料理する時にも作業用手袋や腕カバーを着けないではないか」とも付け加えた。