文全体は崇敬一色だが先頭の文字を縦に読めば
「NIGAGARA HAWAII」(お前が行けハワイ)と皮肉
入選作も「国民を捨てた逃亡者…保導連盟虐殺」
公募展を主催した自由経済院は遅れて気づく
ニューライト指向の保守団体である自由経済院が主催した「李承晩詩公募展」で、李承晩元大統領の行跡を批判する内容をこっそり盛り込んだ詩が、最優秀作と入選作に当選していた事実が遅れて明らかになった。
4日に自由経済院が公開した「第1回建国大統領李承晩詩公募展受賞作品集」には、「To the promised land(約束の地のために)」というタイトルの詩が最優秀賞受賞作2篇のうちの一つとして、「ウナム(李承晩の雅号)賛歌」というタイトルの詩が入選作8篇のうちの一つとして登録されている。 4日午前、この作品は受賞作品集目録から削除されている。 自由経済院は全国経済人連合会(全経連)が毎年20億ウォン相当の支援金を支援している団体だ。今回の公募展の審査委員長は作家で保守論客のボク・コイル氏だ。
最優秀賞受賞作である「To the promised land」は「Now you rest your burden/International leader,Seung Man Rhee/Greatness,you strived for/A democratic state was your legacy(今あなたは肩の荷を下ろすことができるようになりました/国際的な指導者李承晩/あなたが情熱を注いだその偉業/民主主義国家はあなたの遺産です)」という一節で始まる。 一見すれば李承晩元大統領を崇める内容で埋め尽くされている。 だが、この詩の各文の先頭の文字を抜き出して縦に音通りに読めば「NIGAGARA HAWAII」(「ニガカラ、ハワイ」、韓国語で「お前が行けハワイ」)」と皮肉る文章が登場する。
入選作「ウナム賛歌」は「一輪の青い花が背伸びして/反対側の上の町に花粉を飛ばすよ/途中に吹く風は南側から来たけれど/みだりに竜巻を起こし天の道を惑わして/烈士の遺産、民族の意志を侮辱するよ」という段落で始まる。 この詩も李承晩元大統領を崇める言葉で埋まっている。 「一握りの勇気の火花を散らし/山川四方の愛国心を燃え上がらせた/気丈な声と柔和な眼差しの指導者/リ・スンマン大統領、私たちの国父」、「暴力団共産党の赤い魔手を/青い気迫で阻んだあなた/国家の父として国民を抱き/民族の指導者の役割をされ」などの一節がその例だ。
だが、この詩も各文の先頭の文字だけを読めば、内容は一変する。 「韓半島分裂/親日人士雇用/民族反逆者/漢江(ハンガン)橋爆破/国民捨てた逃亡者/亡命政府建国/保導連盟虐殺」という字句が現れる。 コミュニティサイトのルリウェブ(Ruliweb)に文を載せたあるネチズンは、入選賞状の写真を載せ「数カ月前、李承晩詩公募展が開かれることを聞き、詩を書いてユーモア掲示板に載せたところ反応が良かった」として「それで(公募展に)出したところ入選。賞金10万ウォン(約1万円)で彼女と焼き肉を食べた」と書いた。
ネチズンたちは「魂を売ったのかと思ったが、縦読み(横書きされた行の先頭の字を縦に組み合わせれば原文とは関係ない全く異なる単語や文章が現れるようにする言葉遊び)だった」、「李承晩をリ・スンマン、人民軍をリンミングンと(北朝鮮式に)書いたのに審査委員団は気がつかなかったようだ」、「そもそもあんな公募展をしたこと自体が、この国が救いがたいことの証明」などの反応を示した。
自由経済院はこの日、「李承晩詩公募展の一部受賞作の授賞取り消し」というタイトルの報道資料を出し、「大会の趣旨に反する文を悪意をもって応募した一部の受賞作に対して授賞を取り消し、法的措置を含めて強力に対処する」とし「二つの作品は李承晩大統領を蔑視する内容を故意に含んでおり行事の趣旨に正面から反しているため、主催側ならびに他の応募者に深刻な被害を招いた」と明らかにした。