登録 : 2016.03.10 23:16 修正 : 2016.03.11 09:10

チェ・ウォンシク議員ら国連科学委に資料公開 

昨年10月、グリーンピースの活動家が古里原子力発電所新古里3・4号機の鉄条網前で新古里5・6号機の追加建設計画撤回などを要求するデモを行っている =キム・ボンギュ先任記者 //ハンギョレ新聞社

1990~97年、大気中のヨード131 
他の原発に較べ最大3000万倍多く排出 
韓水原「排出量が間違って表記された」弁明

 1990年代、釜山機張郡にある古里(コリ)原子力発電所が、甲状腺癌を誘発する放射性物質のヨード131を、世界の他の原子力発電所に較べ多くて3000万倍も排出していたことがわかった。

 環境運動連合とチェ・ウォンシク国会議員(国民の党)は9日、「国連科学委員会(UNSCEAR)が国連総会に提出した『2000年放射能被爆報告書』と韓国水力原子力から受け取った資料『古里原子力発電所放射性廃棄物排出放射能量』を分析したところ、1990~1997年の8年間に古里原子力発電所1~4号機から排出された大気中のヨード131の量が、当時世界で稼動中の原発430余機のうちで最も多かったことが分かった」と明らかにした。

 この期間に古里原子力発電所1~4号機から排出されたヨード131の量は29.6254ギガベクレル(G Bq)だった。 次いで多く排出した米国のハッチ1~2号機(19.91ギガベクレル)に較べて10ギガベクレル、3番目に多く排出したウクライナのダンジネス1~2号機(13.608ギガベクレル)に較べて16ギガベクレル多かった。 1ベクレル(Bq)は1秒間に一度放射性物質が崩壊することを意味し、1ギガベクレルは10億ベクレルと同じだ。

 ヨード131が小数点以下6位まで全く排出されなかった日本の22機などに較べて2962万倍も多かった。 古里原子力発電所1~4号機を別にすれば、ヨード131を1ギガベクレル以上排出した原発は、蔚珍(ウルチン)1~2号機など58基あった。

 年度別に見れば、1992年古里原子力発電所1~4号機のヨード131排出量は、世界で最も多い16ギガベクレルだった。 小数点以下6桁まで排出されなかったドイツの原子力発電所4機などに比べれば1600万倍多い。 同じ年に世界で1ギガベクレル以上排出した原子力発電所は21基あった。

 1993年にも古里原子力発電所1~4号機は世界で最も多い13.2ギガベクレルを排出した。 2位は米国のハッチ1~2号機で9.25ギガベクレルだった。 3位はウクライナのダンジネス1~2号機で6ギガベクレルだった。同じ年に小数点以下6桁まで排出されなかった原子力発電所に比べて古里原子力発電所1~4号機の排出量は1320万倍も多かった。

 韓国水力原子力(韓水原)は国連科学委員会の報告書に記録された1992年の古里原子力発電所1~4号機の排出量が間違いだったと主張した。 古里1~2号機の排出量1.58ギガベクレルを15.8ギガベクレルと誤って表記し、実際より14.235ギガベクレル多く計算されたということだ。

 また、韓水原は1993年に排出されたヨード131(13.2ギガベクレル)が住民に及ぼした影響は、年間0.001659ミリシーベルト(mSv:放射線にどれくらい露出したかを定量化する単位)に過ぎないと主張した。 一般基準値である1ミリシーベルトに比べて600分の1に過ぎないので何ら問題ないということだ。 韓水原関係者は「古里原子力発電所の排出量が多くても基準値以下なので不安に思う必要はない」と話した。

 しかし、環境運動連合は「排出量が基準値以下だといっても人体に無害だと決めつけることは危険」と反論した。 2007年ドイツ連邦放射線保護庁がオーブリヒハイム原子力発電所とグントレミンゲン原子力発電所の周辺住民の放射性物質被曝線量を調査した結果、被爆量は古里原子力発電所1~4号機周辺住民たちに較べてはるかに低い0.0003200~0.0000019ミリシーベルトだったが、「1980~2003年オーブリヒハイム原子力発電所とグントレミンゲン原子力発電所から半径5キロメートル内に居住した5歳未満の子供が小児癌や小児白血病に罹る危険性と原子力発電所との関連性が観察される」と明らかにした。

 ヤンイ・ウォンヨン環境運動連合事務局長は「フランスでも2002~2007年に原子力発電所周辺で児童期白血病の研究をしたが、この時期に発生した小児白血病が原子力発電所から半径5キロメートル内に住むことと関連性があることが立証された」と主張した。

 一方、2014年10月、釜山地方裁判所東部支所民事2部は、古里原子力発電所周辺住民パク氏(48)が韓水原を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、甲状腺癌の発病に対する原子力発電所の責任を認め、パク氏に慰謝料1500万ウォンを支給せよと判決した。 これを契機に古里原子力発電所など韓国国内の原子力発電所周辺住民592人が「原子力発電所の放射性物質のために甲状腺癌などの被害を被った」として共同訴訟を進めている。

※ヨード(Iodine)131:核分裂で発生するラジオアイソトープ。 自然状態で存在するヨードは127で放射能はない。 ヨード131は半減期が8日と短いが、国連科学委員会は甲状腺癌を誘発する放射性物質と規定した。

キム・グァンス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-09 20:53
http://www.hani.co.kr/arti/society/area/734206.html 訳J.S(2337字)

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