開発費減少で進入障壁が低くなり
中国・ロシア、無人機など先端技術開発
米国防予算は6000億ドル
上位9カ国合わせた額より大きい
西側が軍事技術で他の地域に比べ享受してきた優位が低減しているという分析結果が出された。
英国のロンドンに本部を置く国際戦略問題研究所(IISS)が、9日に発行した定期世界軍事関連報告書「軍事均衡2016年」で明らかにした。同研究所事務総長のジョン・チップマン博士は、報告書で「この20年間、西側が享受していた軍事技術の優位は衰退している」、「西側は今後、軍事戦略を組む際、このような傾向を遅らせるか再び変更する方法を念頭に置かねばならない」と明らかにした。
同研究所は、かつて米国や欧州を含めた西側の先端軍事技術だった無人機や各種ミサイル技術などを、最近は多くの国が活用している点を例に挙げた。無人機はこの5年間で軍事運用する国が倍増した。中国は無人機をイラクとナイジェリアに輸出までしている。中国は昨年9月に北京で開かれた「抗日戦争勝利および世界反ファシスト戦争勝利70周年」(戦勝節)の閲兵式で、航空母艦キラーとして知られる「東風21D」ミサイルも披露した。ロシアが昨年5月に第2次世界大戦戦勝記念70周年の行事で披露した次世代戦車「アルマータ」も、西側だけに先端技術が独占されていない事実を見せつけたと研究所は指摘した。アルマータは対戦車ミサイルを受けても防御できる能力があるとされる。
同研究所は西側の軍事技術優位の時代が衰退している理由について、先端技術の開発に必要な資金がますます減り、進入障壁が低くなっている点を挙げた。軍事技術と民間技術との狭間の境界が以前より曖昧になっている点も背景に考えられる。このため西側は、サイバー空間、資料分析、自動化、ロボットのような新しい先端技術領域に対する投資を通じ、軍事技術の優位を維持しようと努めているとした。英国は宇宙圏に近い高高度で飛行する無人偵察機を開発中だ。米国はシリコンバレーのビックデータ、自動化技術のような民間先端技術を軍事的に活用するプロジェクトを稼動している。
国防費そのものは米国が依然として圧倒的に世界1位だ。同研究所は、昨年基準で米国の国防予算は5975億ドルと明らかにした。米国の国防費は残る上位9カ国の国防予算をすべて合わせた額より多い。しかし、地域別ではアジアが最も多い国防費を使っている。アジアの国防予算は北大西洋条約機構(NATO)加盟国の欧州国家の国防費より1000億ドル以上多い。アジア域内では中国の国防費が圧倒的だ。中国の国防予算がオセアニア地域を含むアジア15カ国で占める割合は、昨年基準で41%(1458億ドル)に達した。2013年に36%、2014年に38%と増え続けている。
ロシアの国防予算は昨年基準で656億ドルで4位だった。ロシアの国防予算増加額は、世界の増加分のうち20%を占めるほど多かった。3位はシリア内戦に介入したサウジアラビアで819億ドル、8位は日本で410億ドル、そして韓国は10位で335億ドルだった。
韓国語原文入力:2016-02-10 21:52