検察が5日、ソン・ワンジョン前京南企業会長から不法政治資金を受けた容疑で裁判にかけられたイ・ワング前首相(66)の結審公判で懲役1年を求刑した。
検察は「他でもない選挙事務所で不法選挙資金を受けとり、政治資金の透明性向上という立法趣旨を深く傷つけた」と求刑理由を明らかにした。しかしイ前首相は最終陳述で「(裁判過程で)『検察はこれでいいのか』、『これは嘘だ』と叫びたかった」と訴え、「首相を歴任した現職議員に対しこんな捜査がなされるのだから一般国民の捜査はどうなるか」と検察が無理な捜査をしたと主張した。
イ前首相は扶余(プヨ)・青陽(チョンヤン)の再選期間だった2013年4月4日、扶余選挙事務所でソン前会長から3000万ウォン(現レートで約310万円)を受け取った容疑がもたれている。
これに先立つこの日のソウル中央地裁刑事22部(裁判長チャン・ジュンヒョン)の審理で開かれた裁判で、ソン前会長が昨年4月に亡くなる直前、京郷新聞のイ・ギス記者と通話した内容を録音した音声ファイルの証拠採用の有無が争点になった。イ記者はこの日、法廷で「命をかけ社会がこれ以上こうあってはいけないというメッセージを残したかったのだと思った」と音声ファイルの内容に信憑性があるという主張をした。だがイ前首相の弁護人は「(ソン前会長が)記者とした話で事実と異なる部分や偽りの陳述が報道された後、差しせまる状況に耐えきれずに心配して自ら命を絶ったと思える」として音声ファイルの証拠能力を排除すべきだと主張した。裁判所はこの音声ファイルを証拠として採用した。イ前首相に対する宣告公判は29日午後2時に開かれる。
韓国語原文入力:2016-01-06 00:20