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韓国政界裏金疑惑、自殺前会長のリストに載った6人に検察が質問書

登録:2015-05-29 22:41 修正:2015-05-30 08:02
 直接追及できる証拠掴めなかった模様
 矛盾した回答には集中捜査の“狙い”も
 「回答書受け取ってから捜査方向決定」
ソン・ワンジョン前京南企業会長が自殺する2日前の4月8日、ソウル・中区の銀行会館で検察調査と関連する記者会見をしている=イ・ジョンヨン先任記者//ハンギョレ新聞社

 「ソンワンジョン・リスト」特別捜査チームが李完九(イ・ワング)前首相とホン・ジュンピョ慶尚南道知事を除くリストにある6人に対する質問書と資料提出要請書を発送したのは、捜査が大詰めの局面に入っていることを示している。捜査チームは6人に、これまでの捜査に基づく特定の時間の動線、資金の流れと質問書及び提出資料を分析し、追加調査を行う可能性もあることを明らかにした。しかし、書面調査は通常“形だけのもの”で終わることから、多数の関係者の“疑惑払しょくのための手順”にとどまる可能性が高い。

 特別捜査チームが29日、書面質疑書を送った宛先は、セヌリ党ホン・ムンジョン議員とユ・ジョンボク仁川(インチョン)市長、ソ・ビョンス釜山(プサン)市長、キム・ギチュン、ホ・テヨル元大統領府秘書室長、イ・ビョンギ大統領府秘書室長である。捜査チームは彼らに過去ソン・ワンジョン前京南企業会長といかなる目的で、なぜあったのか、ソン前会長側と金品取引はなかったのかなどを疎明することを要請した。資料提出の要請は、質問書に対する回答を裏付ける具体的な証拠資料の提出を求める趣旨のものと見られる。捜査チームは1週間以内の提出を求めたことがわかった。

 捜査チーム関係者は、書面調査を“段階”ではなく“技法”として捉えてもらいたいと説明した。書面調査でソンワンジョン・リストの捜査を終わらせようとしているという疑念を意識した発言だ。また、この関係者は、書面調査対象者のうち召喚対象がいる可能性について「一応質問書に対する回答を検討してから」判断すると語った。捜査チームはこれまでリストの6人について、2012年の大統領選挙の直前などソン前会長が裏金を渡したと主張した時期の足取りを綿密に調査したと伝えられた。特に大統領選挙と関連し、2億〜3億ウォン(約2233万~3349万円)ずつ渡したとソン前会長が明らかにしたユ・ジョンボク、ソ・ビョンス市長、ホン・ムンジョン議員の足取りが主な調査対象とされている。捜査チームは回答書を受け取ってから、これまで捜査チームが復元した状況と矛盾する回答を提出すれば集中捜査を行う計画であると思われる。

 しかし、通常の書面調査は、直接召喚して追及する素材がないときに使う方法であるだけでなく、その対象者が処罰対象になる場合はほとんどない。このため、捜査チームが事件を「終結」していく過程で、彼らに疎明の機会を与える意味で質問書を送ったというのが、大方の判断だ。捜査結果の発表を念頭におくと、「誰々は疑いについてこのように釈明した」という程度の材料は確保しなければないからだ。捜査チームは、2006〜2007年に裏金を受け取ったとされるホ・テヨル、キム・ギチュン元秘書室長には、時効を理由に早い段階から捜査の価値がないと判断した状態だ。イ・ビョンギ現大統領府秘書室長は、ソン前会長が残したメモや彼の最後のインタビューに名前だけ登場する。他の人たちにも「証拠不十分」を理由に不起訴の判断が下される可能性が高いと見られる。

 しかし、一部には“火種”が消えたと思うのは時期尚早という見方もある。捜査チームがこの日召喚したセヌリ党の元首席副報道官のキム氏は、2012年に朴槿恵(パク・クネ)大統領選挙キャンプの一員だった。検察の内外ではハン前京南企業副社長が彼に渡したとした2億ウォンがホン・ムンジョン議員に渡った疑惑が提起された。検察がキム氏を事実上公開召喚したのは、ハン氏の陳述と合致するデータを確保したためと思われる。捜査チームがここ2週間密かに調査を行ったことから、キム氏に対する捜査は、李前首相やホン知事に続く“第3弾”につながる可能性もある。

ノ・ヒョンウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-29 20:02

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/693492.html  訳H.J

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