韓日外相の日本軍“慰安婦”被害者関連「12・28合意」が僅か2日目にして総体的乱気流に巻き込まれている。 日本側では“合意精神”を否定する韓国政府関係者の発言やマスコミの報道が乱舞し、韓国では被害者たちと韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)など関連団体が強く反発している。 野党は“合意の取り消し”と再協議まで要求した。 非難世論が激化して大統領府と外交部は困惑した表情を隠せずにいる。 激しい逆風に包まれた12・28合意が朴槿恵大統領の“外交惨事”に上り詰める可能性も排除できない。
安倍晋三首相は側近に「昨日ですべて終わりである。再び謝罪もしない。以後(韓国と関係で)この(慰安婦)問題について一切話さない」と明らかにしたと産経新聞が30日付で報じた。 安倍首相は「この事実を(28日夜朴大統領との)電話会談でも話しておいた」とも言及し、韓国政府の暗黙的同意を得たことを表わした。 これは安倍首相が直接“謝罪”と“反省”を表明するつもりはないという意味で、今回の合意が日本首相の謝罪書簡などが含まれた1995年アジア女性基金や李明博(イ・ミョンバク)政権時に検討されたいわゆる「佐々江案」より後退したものという批判に直面することもありうる。
日本政府が予算から出捐することにした10億円(97億4300万ウォン)が、駐韓日本大使館前の「平和の少女像」(少女像)撤去・移転を前提としたものという日本マスコミの報道が相次ぎ、争点に浮上した。 朝日新聞はこの日付1面トップ記事で、複数の日本政府関係者の話を引用し「少女像を移転することが財団に資金を拠出する前提になっているということは、韓国(政府)も内部的に確認している」と伝えた。 読売新聞も日本政府高官の話を引用して「日本政府が韓国政府に早期に少女像を撤去するよう韓国政府に要請したし、韓国政府も前向きに努力するという意を明らかにした事実を確認した」と報道した。
これについて大統領府関係者は「全く事実でない」と否定し、ユン・ビョンセ外交部長官は「誤解を誘発しかねない日本側の言動がないことを望む」と明らかにした。 波紋が広がると日本政府当局者はこの日午後、連合ニュースに「(日本の)国民感情として10億円を出すので平和の碑(少女像)を撤去して欲しいと考える人はいるだろうが、そのように考えることと約束の前提条件ということとは全く違う」と関連報道を否定した。
挺対協はこの日声明を出し「韓日両政府は拙速合意を直ちに取り消し、被害者の要求に耳を傾け被害者が受容できる正しい方法で慰安婦問題を解決せよ」と要求した。 挺対協は韓国内外の市民社会・専門家が参加した対応組織を作り、韓国全土に設置された少女像の前で毎週リレー水曜デモを続ける計画だ。 この日正午、ソウル鍾路区の日本大使館前で開かれた第1211回水曜集会に参加した慰安婦被害者イ・ヨンスさん(88)は、「先に亡くなったおばあさんたちの恨みをはらして差し上げるためにも、日本の公式的な謝罪と法的な賠償を当然受けなければならない」として、合意案の撤回を要求した。
共に民主党(新政治民主連合から改名)の文在寅(ムン・ジェイン)代表は、この日の最高委員会で「この合意は国民の権利を放棄する条約や協約に該当するので、国会の同意を受けるべきだが、同意がなされていないので無効であることを宣言する」として、政府に再協議を要求した。 共に民主党はユン・ビョンセ外交部長官に対する解任建議案を提出して、国会常任委次元の真相究明を推進することにした。