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乳幼児65万人の保育料支援中断の恐れ…ソウルなど5市道が国に反発して予算編成せず

登録:2015-12-23 22:19 修正:2015-12-24 06:41
保護者ら「保育大乱の恐れも」と反発 
「毎年責任転嫁してばかり...なぜこのようなことに 
大統領の決断で実行できる予算規模」
イ・ジェジョン京畿道教育監が21日午前、ソウル・鍾路区の大統領府前の噴水台で「保育過程は朴槿恵大統領の公約なので政府が予算を全額支援しなければならない」と主張し1人デモを行っている=キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 「国家支援を見込んで子供を産んだわけではないですが、国が無償保育をすると約束した以上は、約束を守るべきです。なぜ互いに責任を押し付けてばかりなのですか。今私たちにできるのはコメントしかありませんが、本当に腹が立ちます」。1歳の子供を保育園に預けているキム・ヘヨン氏(35)は23日、目の前に迫った“保育大乱”について怒りを露わにした。

 一部の市・道議会が保育予算の負担を市道教育庁に押し付けている中央政府への反発として、来年度の保育予算を1ウォンも編成しない超強硬対応に出ており、政府と自治体との責任転嫁を見守る保護者たちの怒りの声が高まっている。

 23日、ハンギョレが全国17の地方議会の来年度保育予算審議の状況を確認した結果、保育予算を編成していないか、または一部だけ編成し、1月から保育料支援が中断される見込みの乳幼児は、ソウル、京畿道、光州(クァンジュ)、全羅南道、全羅北道の5市道で65万4301人(保育園32万8226人、幼稚園32万6087人<全北を除く>)に達するものと把握された。対象となる全国の乳幼児127万8096人の51.2%に達する規模で、事実上、保育過程の半分以上が支援から除外されることになる。残りの12市道の教育庁も来年度1年分の保育園予算を全額編成しておらず、保育大乱は時期こそ異なるものの、全自治体で現実化する見込みだ。

 乳幼児の保護者たちが主に集まるインターネットカフェでは、「毎年、親を愚弄している」、「支援すると言ったり、しないと言ったり、一体なぜこんなことになるのか」など、不安感と不快感を露わにする書き込みが殺到した。 5歳と3歳の子供を国公立保育園に通わせているキム氏(36、ソウル・瑞草)氏は、「最初から支援しなかったらまだしも、支援していたものを止めるというから、本当に不快だ」とし「こんなことになるなら、自分のお金で遊び学校や英語幼稚園に通わせた方がよかったと思う」と話した。

 事態が深刻化する中、保護者と関連機関の関係者たちの批判は政府に向けられている。朴槿恵(パク・クネ)大統領は、2012年の大統領選挙で無償保育を公約に掲げており、現在も大統領府のホームページには、4大国政基調の中で「国民の幸福」分野の国政課題として「無償保育と無償教育の拡大(0〜5歳)を通じた乳幼児保育・教育のための国の完全責任の実現」が挙げられている。

 チャン・ジンファン韓国民間保育園連合会長は「昨年は右往左往しており、保育園園長たちも特に認識がなかったが、保育予算は無償保育を公約した大統領が責任を持って取り組むべきだ」とし「教育庁は、2兆1000億ウォン(約2159億8000万円:全国保育園享乳幼児過程の予算所要額)がなくて途方に暮れているが、大統領がその気になれば、実行できる規模」と話した。

 専業主婦のキム氏(36、江原道・春川)は、「最初は自治体と教育庁、両方とも間違っていると思っていた。ところが、結局、大統領が公約したものではないか」と指摘した。

 無償保育制度そのものに対して懐疑を抱く人も増えている。シン・サンイン国公立幼稚園教員連合会長は、「政府は、乳幼児保育予算のせいで国庫が無駄になっているかのように言わないでもらいたい」とし「国の事情がよくないなら、保護者たちが一部費用を負担するようにするのが筋だ。このような内容を教育部に正式に提案する計画だ」と語った。 6歳と3歳の双子を育てながら仕事をしているチャン氏(37、ソウル・江南)は、「そもそも無償保育を行うということに、無理があった」とし「守れない公約なら、言うべきではなかったと思う」と述べた。

チン・ミョンソン、水原/ホン・ヨンドク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-12-23 19:27

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/723221.html 訳H.J

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