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量的緩和だけでは日本の景気浮揚に限界...個人消費活性化に焦点

登録:2015-11-28 01:04 修正:2015-11-28 06:57
福祉拡大に乗り出したアベノミクス 

第1期政策で大企業の実績だけ改善 
トリクルダウン効果が少なく、景気の活性化につながらず 
賃金上昇による分配の拡大に力点 
賃上げを促す安倍首相に財界も同意 
企業の設備投資の拡大には慎重な態度

 日本政府が26日に出したアベノミクス2期政策の最大の特徴は、1期政策で重点を置いていた“量的緩和”による成長戦略を“賃金引上げ”を介して分配にまで拡張した点にある。アベノミクス1期政策で輸出中心の大企業の業績は大幅に改善されたが、その効果が経済全体に拡散する「トリクルダウン効果」がなかなか現れないからだ。

 日本政府のこの政策判断は、この日公開されたA4用紙12枚分の「1億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」(以下、緊急対策)という政策文書で明確に確認できる。

 この文書で、日本政府は1期政策により、「企業の経常利益が最高水準に達し、賃上げ率は2年連続で伸びた」という点を強調しながらも、「個人消費の改善テンポは遅れ、企業収益に比して設備投資も弱い状況にある。実質GDP成長率は第2四半期連続のマイナスの状況にある」と指摘した。緊急対策は、今回の対策の基調を「成長と分配の好循環」と明確に表現した。

日本の企業利益と実質賃金の増加率(資料:ウォール・ストリート・ジャーナル)左:企業利益の推移(単位:1兆円)、右:実質賃金の増加率(単位:%)//ハンギョレ新聞社

 実際に日本では、過去2年間2%台の賃上げが行われたが、実質賃金は下がり続けてきた。厚生労働省が発表した毎月労働統計調査によると、9月現在、日本の実質賃金は2010年を100とした場合、94.6に過ぎない。それでも昨年同期間に比べ14カ月連続で下落を続けたが、3カ月前にやっと上昇に転じた。

 これと共に、企業が設備投資を躊躇い、昨年4月に消費税の上昇の影響で少しずつ抜け出し始めた日本経済の回復に歯止めをかけた。今月16、内閣府が公開した数値によると、設備投資は、今年第2四半期と第3四半期にそれぞれ1.2%と1.3%減少したことが分かった。このような現実認識に基づいて賃上げと企業の設備投資が行われない限り、日本経済が回復しにくいという結論を下したものと思われる。緊急対策には、日本の社会が直面している少子高齢化という人口問題を解決するために、出生率を引き上げることができる保育や高齢者対策なども多数含まれた。

 日本のメディアはアベノミクスの2期政策が成功するために必要なのは、企業の協力だと指摘した。これを意識したように安倍晋三首相は同日、緊急対策を発表し、政府と経済界の代表が集って経済対策を議論する「官民対話」も同時に開催した。

 安倍首相は、この対話で「経済の好循環ができるかどうかは設備投資と賃上げにかかっている」とし、企業の協力を直接圧迫した。日本経済団体連合会(経団連)など財界も政府の政策の方向については同意するという態度を明らかにした。榊原定征・経団連会長は「業績が向上した企業については、昨年を上回る賃金引上げを期待すると呼びかけしたい」と述べている。

 設備投資については意見が分かれた。榊原会長は「設備投資をするには、環境整備が不可欠である。法人税が来年度に(現行32.11%から)20%に引き下げなければならない」と法人税引き下げを要求した。しかし、財務省側は国の債務を懸念し、これに反対していると伝えられた。 毎日新聞は設備投資をめぐり「政府と財界の見解の違いが明らかになった」と報じ、朝日新聞は、政府が来年夏に予定される参院選をにらみバラマキ色の強い政策を展開しているのではないかと指摘した。

東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-11-27 19:57

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/719441.html 訳H.J

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