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韓国政府、劣悪な「感情労働」に対処する法規制に着手

登録:2015-10-25 23:41 修正:2015-10-26 08:35
顧客応対従事者の処遇改善のため 
マニュアルなど事業主に対する義務規定を推進
感情労働 イラストレーション ユ・アヨン//ハンギョレ新聞社

 最近デパートの顧客が売場の社員に土下座させた動画が公開され、非難の世論が起きるなど、“感情労働者”の劣悪な処遇を巡る論議が絶えない中、韓国政府がこれらの労働者を保護するための法改正作業に踏み出した。

 雇用労働部コ・ドンウ産業保健課長は25日、ハンギョレとの電話インタビューで「国会で審議中の産業安全保健法改正案に、感情労働者を保護するための事業主の包括的義務を規定した条項が盛り込まれている。 政府は法改正に備えて事業主の具体的な義務事項を施行令と行政規則に入れるための委託研究を進めている」と話した。 国会環境労働委員会には新政治民主連合のハン・ミョンスク議員らが発議した産業安全保健法改正案が発議されており、法案審査小委員会での議論を経た状態だ。

 政府は事業主が顧客応対マニュアルを用意し、ストレス予防教育の実施、被害社員の配置換えなど関連対策を用意する方案を施行令に盛り込む方針だという。

 政府は昨年国会で議論された感情労働者の処遇改善問題にこれまで消極的だったが、最近になって顧客の“横暴”さが度を越しているという判断の下に法改正などに積極的な立場に変わった。

 政府は「感情労働」という用語自体は施行令等に入れない代わり、「顧客応対業務に主に従事する勤労者」に対する保護規定を用意し、実質的に保護を強化する方針だ。 政府は特に感情労働が多い販売・サービス業種に対して行政指導条項を設け、法改正案の実効性も高める方針だ。 政府は韓国国内の感情労働者が560~740万人に達すると推算している。これは賃金勤労者全体の30%を超える数値だ。

ノ・ヒョンウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/714392.html 韓国語原文入力:2015-10-25 19:42
訳J.S(853字)

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