原文入力:2009-01-02午前09:02:20
高利私債以外には借りる所がない金融疎外者たち
ネチズン投票で真正性評価して小額ずつ投資
ソク・ジンファン記者
720万信用疎外者を考慮した新しい金融実験がネット上で広がっている。制度圏金融会社から無視されている彼らに急な金を用立てる‘現代版助け合い’だ。金融疎外者などの共同体サイトを前面に出した‘ワンクリック’(oneclick.com)がまさにその実験場だ。
兄さんの借金の保証をし破産した主婦キム・某氏は先月18日このサイトで100万ウォンを借りた。年30%の利子に9ヶ月間に月々12万ウォン程度の元利金を返す条件だ。一般人にとっては高い利子だが、私債利子を払う金氏には“恐れ多い条件”だ。
ここを訪ねる人々は自分の境遇をとても詳細に説明する。「母の手術費がとても急で足りないお金を私債で借りました。120万ウォンを借りたが20日ごとに17万ウォンずつ利子を払います。こちらで100万ウォンを借りて私債を返せるようにして下さい。二人の子供の名を連ねてきちんと返すことをお約束します。」金氏はこういう理由と共に家計収入・支出内訳,自身が負担する利率と何ヶ月に分けて返すのかを説明する文を上げた。
文章を見た会員たちはキム氏がお金をきちんと返せるかについてサイバー投票を行い、掲示板を通じて当事者に質問をして討論を行った。その結果、会員38人が2万~4万ウォンずつ出し合って100万ウォンを貸した。このサイトではひとりが普通100万~200万ウォンを借りるが、金を貸す人は30~50人だ。お金を返す能力や意志が疑われ貸出者を集められなければ借りることはできない。キム氏が月々出す元利金はサイトを通じて貸出者らに分配される。
お金を返すことができない場合以外は債権・債務者は相手の情報を知らない。だが各自のIDで互いに励まし慰め、また感謝する。お金を返すことができない事態が起これば、貸出者たちが掲示板に集まり訴訟をするか、もう少し待つかも投票で決める。ここで金を借りて安定を得て、反対に小額貸出者として参加するという循環構造も作られている。
実験段階であり規模は大きくない。現在会員は貸し出し経験者583人を含めて6241人だ。貸し出しは計265件で2億6700万ウォンだ。 多数が検証したためにお金を‘取られる’確率はそれほど高くない。265件中で貸し倒れ処理された貸し出しは8件で3%程度だ。
英国と米国にもこういう貸し出し仲介サイトがあるが、信用等級が低い金融疎外者を対象にした実験は今回が初めてだ。仲介手数料も取らない。
このサイトのシン・ヒョンオク代表は“慈善事業をしようとするのではなく、制度圏金融から疎外された人々にも合理的な利子を払いながら経済活動をするコミュニティを作るのが目標」と語った。シン代表はまた「国内にはいわゆる信用不良者たちが金を借りれば何パーセントも返せないのかに対するデータがなく貸付業者らのあきれるほどの利率が大手を振るっている」としながら「サイトが活性化して有意なデータが出てくれば、貸し出し金利の合理的利率も計算できるだろう」と付け加えた。 ソク・ジンファン記者 soulfat@hani.co.kr