「今、ソウルの都心でどんな兵器が売られているか、ご存知ですか」。19日夜、ソウル瑞草(ソチョ)区のJWマリオットホテル前で開かれた「戦争商売反対」集会で、インドネシアの植民地支配を受けているウェストパプア(西ニューギニア)の平和活動家ハ・ビエラ・ロサ氏(38)がこう叫んだ。
同じ時刻、このホテル内ではハン・ミンク国防長官をはじめ45カ国の国防長官や各軍総長ら85人の国内外高位官僚と全世界の兵器メーカー関係者らが参加する歓迎晩餐会が開かれていた。 彼らは20日から6日間の日程で京畿道城南(ソンナム)のソウル空港で開かれる「第10回ソウル国際航空宇宙・防衛産業展示会」(ADEX)を観て、軍事外交的交流を強化するために一堂に集まった。
ソウルADEXは、韓国航空宇宙産業振興協会などが主催し韓国政府が支援する。 国産防衛産業装備を輸出するための韓国最大規模の展示会だ。 今回の展示会には32カ国386の軍需企業が参加し、最近マレーシア、インドネシア、ペルー、フィリピンなどに輸出したKT-1基本訓練機とT-50高等訓練機、K-2・K-9自走砲など韓国産の防衛産業装備が紹介された。 多くの国家の軍・防衛産業装備業者の関係者が集まった場所であり、展示会に出された韓国産武器を含めてどの国のどんな武器がどこにどれだけ売られるかは分からない。 防衛産業装備の輸出内訳はほとんどが“営業機密”または“国家安保上の理由”により公開されないためだ。
ロサ氏は「今ここで活発に取り引きされている兵器が、いつどのように私たちを狙うことになるかも分からない」として、「戦争企業と戦争国家のバイヤーが相互のネットワークを一層強固にする場でもあるこのような展示会が、成功裏に開催されればされるほど世界は一層不安定になる」と話した。 ロサ氏の故郷であるウェストパプアはインドネシアからの独立運動を行っている。 ロサ氏は「インドネシアがオーストラリアや英国、ドイツなどから戦車や銃などの武器を買ってきて、非暴力・平和的方法で抵抗している独立運動家を鎮圧している」として「今年だけで50人余りが命を失った」と話した。 ウェストパプアの独立運動家を狙っている武器の中には、韓国の技術で生産され昨年からインドネシアに実戦配備され始めた超音速高等訓練機T-50が含まれている可能性もある。
ロサ氏をはじめとして米国、英国、ドイツ、スペイン、バーレーン、トルコ、イスラエル、ネパールなど13カ国から訪韓した平和運動家20人余りと「戦争なき世の中」をはじめとする韓国内9団体の活動家など30人余りは“戦争商売”の中断を要求し、この日ホテル前で集会を開いた。 ADEX共同運営本部関係者は「ADEXは韓国国内で生産される製品を海外に輸出し、雇用創出を通じて韓国の産業を育成するための「産業展示会」に過ぎない」と話した。