登録 : 2015.10.20 01:21 修正 : 2015.10.20 06:27

「徐勝教授と行く東アジア平和旅行」12月開始

沖縄県辺野古の基地移転予定地を取り囲む鉄柵に訪問客と地域NGO関係者たちが作った移転反対垂れ幕が懸かっている=我が民族は一つになろう運動本部提供 //ハンギョレ新聞社

 「今こそアジア市民ネットワークの強化が必要だ」

 期待した光復(解放)70年、分断70年も東アジアの平和というビジョンを示せずに終わろうとしている中で、徐勝(ソ・スン)日本立命館大学教授が最近しばしば強調する言葉だ。

 現在の東アジアを見れば、平和のビジョンを見つけることは容易でない。安倍政権は日本国内外の反発を押し切り日本を再び戦争できる国にしつつある。米国は対中国包囲戦略を強化するために、北朝鮮を口実に韓米日軍事同盟の強化を注文している。 中国は巨大化した経済力を背景に大国の座を得ようとしている。 その間に韓国と北朝鮮の間には8・25合意があったものの、それを強固にできる方法を見いだせずにいる状況だ。

東アジア平和ビジョンが暗鬱な中で
「苦難の場所」南京・沖縄を訪問し連帯を摸索

旅行を媒介に市民連帯へのアプローチ…
徐勝教授と縁のある各国NGOが参加

 過去20年間、東アジアの民衆ないしは市民のネットワーク事業を展開してきた徐勝教授は「このような状況で真の東アジアの平和を見いだすためには国家主導ではなく市民のネットワークを一層強化しなければならない」と話す。

 徐勝教授は自ら「多様な方式」を模索するための試みを実践している。 最近、徐勝教授が中心となって進めている「徐勝と行くアジア平和旅行」(以下、平和旅行、ハンギョレ統一文化財団・我が民族は一つになろう運動本部の共同主催)というプログラムもその一つだ。 市民のネットワークとは、活動家のみが参加する硬い交流ではないということを示すために市民が気軽に参加できる旅行を媒介に市民の連帯にアプローチしてみようということだ。

 平和旅行は中国の南京(12月26~29日)、日本の沖縄(2016年1月21~24日)、台湾(2016年2月18~21日)など東アジア近現代史の代表的な「苦難の場所」を、それぞれ30人の市民と見てまわる企画だ。 該当地域ごとに徐勝教授と長い縁を結んでいる各地域のNGOが積極的に協力して、旅行の中で市民の歴史や生活、そして闘いを感じられるようにした。

 なぜ徐勝教授はこれほどに休むことなく市民ネットワークを強調しているのだろうか? 東アジア市民ネットワークに対する徐勝教授の強調は、彼が韓国で19年間に及ぶ獄中生活をして出獄した1990年から間断なく続いている。 特に1994年の台湾訪問の時、36年間投獄された台湾の政治犯 林書揚さんに会ったことが大きな契機になった。 東アジアの国家暴力が一国だけの現象ではないということを悟ったわけだ。それでも当時、国家暴力の犠牲者たちは自国内でのみ活動しており、国境を越えた連帯は容易でなかった。 そのために徐勝教授は「支配する者は鳥瞰できるのに、支配を受ける東アジアの民衆は冷戦の壁と国境で分断されバラバラにされ共通の“言葉”を失っている」と残念がった。

 その後、徐勝教授は1997年に台北で純粋に民間人が中心となった国際学術大会「東アジア冷戦と国家テロリズム」を開いた。 徐勝教授が主催した民間中心の国際学術大会は、2002年まで済州(チェジュ)、沖縄、光州(クァンジュ)、京都、麗水(ヨス)で都合6回にかけて開催され今は一段落した状態だ。 しかし、そこで各地域に根を下ろして枝を伸ばした成果は多かったし、民衆の視点で東アジアを見つめ連帯する運動も各地で芽生えたとのことが徐勝教授の評価だ。

「我が民族は一つになろう運動本部」の会員たちが昨年1月、徐勝教授とともに沖縄を訪問して辺野古基地移転反対の座込み場で地域NGOの説明を聞いている =我が民族は一つになろう運動本部提供 //ハンギョレ新聞社

 だが、徐勝教授はそれから20年近くが過ぎた今も、民衆の歴史認識や運動が東アジアの状況を大きく変えるまでには至っていないと判断する。 むしろ国家主義や民族主義が一層威力を増しており、連帯の必要性は一層強まったということだ。

 徐勝教授は例として朝鮮半島と沖縄の状況を挙げる。「朝鮮半島の分断克服のための努力と、沖縄の米軍基地反対運動は実際強く関連している」ということだ。 「沖縄では平和運動を行っても、保守陣営が朝鮮半島の緊張が沖縄の安保不安を招いていると宣伝している」として、「朝鮮半島の緊張と分断が解消されてこそ、米軍基地撤収の正当性も増大し沖縄の平和も近づく」ということだ。 同様に朝鮮半島の統一も朝鮮半島だけでは成し遂げられない。「世界で最も軍備と兵力が集中していて、常に火種を抱いている北東アジアが平和になってこそ統一のための外的条件も整備されうる」ということだ。

 徐勝教授はそのために「各地域の現場で苦痛と戦う民衆と交流し、民衆的代案に対する視野を拡げなければならない」と語る。

 これについて沖縄で米軍基地公害訴訟弁護団で活動する在日同胞の白充(ペク チュン)弁護士(30)も「東アジア各地の民衆が孤立して戦っているが、連帯はより大きな力になる」と強調する。

 東京で育った白弁護士が司法試験に合格した後に沖縄を行ったのも、事実連帯のためだという。 彼は「米国は東アジアの地図を広げて戦略を立てているのに、私たちは沖縄だけ見て戦っている状況」とし「私たちも互いに手を結び、どういう戦略を持って東アジアを見るかを共に議論しなければならない」と強調した。

 白弁護士は、韓国から来た旅行客も沖縄の状況に接して東アジア全体を眺望する能力を育てられると強調した。 白弁護士は「特に沖縄は日本の右傾化に対するブレーキの役割を果している」として、沖縄の経験を他の地域でも共有することが重要だと明らかにした。 白弁護士は「現在、沖縄では普天間基地を辺野古に移転する計画に反対してオール沖縄という概念が形成されている」と現地の状況を伝えた。 2014年に当選した翁長県知事も元々は自民党の出身だったが、基地移転に反対して自民党を離党し知事になるなど、沖縄の政治家たちは政治的立場を越えて沖縄米軍基地の拡大移転に反対している。

 台湾労働党のチャンヌシン事務副総長(51)も国家という壁を通過する時、市民の声は巨大メディアなどに遮られてよく伝えられない場合が多いとし、直接的な連帯の必要性を強調する。 彼が属する台湾労働党は、中国と台湾の統一を指向する小さな政党だ。 現在国会議員はいなくて、地方議員を数人輩出している。 台湾の二大政党である国民党と民進党は共に統一指向政党ではないと労働党は強調する。 民進党が経済協力や大陸人と台湾人間の結婚にさえ反対するのに反して、国民党はやや柔軟な態度を見せているに過ぎないという。 国民党も実質的な統一よりは現状維持を好んでいるということだ。 韓国華僑の出身で台湾で医大に学び韓国の学生運動に感銘を受けて再び高麗大に入って学んだというチャン事務副総長は、韓国の市民が労働党や台湾で統一運動をする人々との交流を通じて中国と台湾の関係についてより正確に知って欲しいと話す。

 東アジア市民ネットワークを生涯の課題としている徐勝教授が、旅行を通じてどのように新しい市民ネットワークのモデルを作り出せるかが注目される。 徐勝教授は平和旅行に先立ち、現場に対する理解を深めるために10月29日から5週間にわたり徐勝教授を含む5人の専門家が講師として参加する東アジア平和講座も併せて開く。

キム・ポグン ハンギョレ平和研究所長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-19 20:41
http://www.hani.co.kr/arti/international/asiapacific/713547.html 訳J.S(3328字)

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