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建設費1千万円当たり1日1人の利用効果も出せない韓国の公共施設が43%

登録:2015-09-24 08:42 修正:2015-09-24 16:10

165億ウォンの鶏龍運動場は1年で2425人
518億ウォンの原州文化センターは4500人使用
513カ所のうち221カ所で1日1人の利用者もなし
ほとんどが議員・団体長の公約施設
図書館の効果高く体育施設は低い

 全国の地方自治体が建設し管理している公共施設の43%が、建設費1億ウォン(約1千万円)当り1日1人の割合の利用効果も出せないまま運営されていることが確認された。昨年“財政危機”問題の中でアジア競技大会を行った仁川(インチョン)は、この時に建て増した体育施設を含み、計22公共施設(会計基準)のうち15カ所(68.2%)がそれに該当した。

地方自治体公共施設の建設費1億ウォン当たりの年間利用者数(人)//ハンギョレ新聞社

 行政自治部が最近公開した「2014年全国地方自治体公共施設運営現況」をハンギョレが23日に分析した結果、計513公共施設のうち221カ所(利用者のない4カ所含む)が、建設費1億ウォン当り年間365人の利用者創出効果(1日1人)も出せずにいることが明らかになった。施設別の過去1年の利用者数を全建設費で割った数値で、所在地の人口密度などは考慮されるものの、施設の有用性を確かめるのに無理のない定規だ。

 例えば、忠清南道の鶏龍(ケリョン)市が165億4000万ウォン(現在のレートは1円=約10ウォン)を費やし2012年に作った総合運動場の昨年の利用者は2425人だった。1億ウォン当り利用者創出効果は1年で14.7人に過ぎない。江原道の原州(ウォンジュ)市が2008年に作った518億ウォンの市民文化センターの昨年の利用者は4500人だった。1億ウォン当り8.7人の割合だ。

 221カ所を地域別に見ると、仁川の22カ所中15カ所、済州の9カ所中6カ所(66.7%)、全羅南道の36カ所中23カ所(63.9%)、忠清北道の15カ所中9カ所(60%)、江原道の38カ所中22カ所(57.9%)の順で高い比率を示した。これら施設の相当数は、該当地域の国会議員や自治団体長の選挙公約で表面化しており、仁川の場合、昨年のアジア競技大会の施設が多く含まれた。

 投資額と比較した利用効果は、ソウルの城東(ソンドン)区立図書館が全国で1位になり、1億ウォンに延べ人数2万2166人の利用効果を創り出した。2014年以前にオープンした図書館の中で利用効果が最も低い全羅北道高敞(コチャン)郡の文化の殿堂国立図書館(1億ウォン当り230.2人)と96倍の違いが生じる。ソウル中浪(チュンナン)区立情報図書館(1万7240人)、釜山の海雲台(ヘウンデ)図書館(1万6097人)、ソウル蚕室(チャムシル)野球場(1万1105人)、全羅南道の順天湾自然生態館(9774人)等が後に続いた。図書館は建設費対利用効果が高い反面、体育施設は概して低かった。昨年、利用者が最も多かった施設はソウルの東大門(トンデムン)デザインプラザで688万3456人に達した。建設費1億ウォン当り1634人の割合だ。

 行政自治部は「今回のデータはモデル公開資料を追加検証を通じて一部修正し、2016年から確定した現況を地方財政情報に全面公開する予定だ。この過程で追加修正がされることはある」と明らかにした。

 チョン・ジェグン行政自治部次官は「地方財政が厳しい状況で一部公共施設の放漫運営で税金が浪費されている」と指摘し、「今後、投資事業審査を大幅に強化し、公共施設運営現況も全面公開するなど、公共施設の管理改善で財政健全性を向上させる」と述べた。

イム・インテク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-24 01:27

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/710240.html 訳Y.B

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