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三井住友銀行行員がソウル支店で韓国人女性社員にセクハラ

登録:2015-09-22 07:35 修正:2015-10-10 08:18

ソウル出張の歓迎会食で横に座らせ接待
帰宅途中にタクシーでセクハラ…検察捜査
雇用部は消極的調査…人権委は後手

 資産規模で世界10位以内に入る三井住友銀行のソウル支店で、韓国人女性社員を 本社から出張にきた日本人社員の傍に座らせ酒席の接待をさせるなど、性差別的文化が露呈して問題になっている。その渦中にセクハラ事件まで起き、検察が捜査に乗り出していることが確認された。

 21日、同銀行の元・現職の社員の話を総合すると、ソウル支店では1カ月に2、3回、本社から出張してきた社員のために会食を開くが、その男性社員の両側に韓国人女性社員を座らせ酒席の接待をさせている。社員のKさんは「出張してきた人の両隣には常に若くてきれいな女性社員を座らせた。日本には酒杯を注ぎ足す習わしがあるので、コップが空かないよう接待しなければならなかった」と話した。社員のNさんは「傍に座らせる女性社員を予め決め、席の配置表を作ったこともある」と話し、「会食と関係ない部署の女性社員を連れていき傍に座らせることもあった」(社員Dさん)という証言までされた。

 会食以外の席でのセクハラも深刻になっているようだ。Kさんは「幹部役員が酒に酔って女性社員を見つめ、英語で『触ってもいい』と尋ねたこともある。この程度の冗談はありふれている」と話す。

 数カ月前にセクハラ事件まで起きていた。ソウル西部地検刑事3部(部長イ・ギソン)は、4月9日に会食を終え、自宅に戻るタクシーの中で部下の女性社員Rさんをセクハラした疑い(強制わいせつ致傷)で日本人のO氏(33)を立件して調査中だ。O氏は「一度抱いてもかまわない」とRさんに抱きつき太ももに手を差しいれた疑いを受けている。結婚6カ月の新婚だったRさんは、そのショックで30日近く入院して精神科の治療を受けた。

 Rさんは「O氏は普段から女性社員に『きれいだから風俗店で仕事したら人気がでる」、「男性経験がないなら近くの部署の人と寝てみろ」などと話した」と主張した。O氏は5月頃辞表を出していたことが分かった。検察関係者は「警察から事件を引き受けた。両者の主張が食い違う部分を捜査中」と明らかにした。検察はRさんの医療機録などを提出させ精神科治療を受けたことが“傷害”に当たるか検討していることが分かった。

 同銀行の元・現職の社員は「(セクハラ事件などの)背景には『パワハラ』という日本の職場文化がある』と口をそろえる。パワハラは力(Power)といじめ(Harassment)の合成語だ。上司が部下を怒鳴りつけて他の人の前で恥をかかせるといった、上司の命令に服従させる文化があるため、不当な待遇にも抗弁しにくいという。

 にもかかわらず国家機関は問題解決に消極的だ。Rさんは4月、雇用労働部と国家人権委員会に自身のセクハラ事件と共に性差別文化を調査してほしいと要請した。だが、雇用労働部のキム監督官は5月にRさんを調査する過程で「昨年(他の会社の)若い女性社員2人を(セクハラ事件で)調査した」と言い、「(会社側が)十分な旅行経費をだしそんな(合意を)進めたことがある」と話した。キム監督官はハンギョレとの通話で「合意しろということでなく、他の事件の事例を話したまでだ」と明らかにした。また、国家人権委員会は6カ月近くなるのに調査を始めないでいる。事件を受け持ったチェ調査官は「捜査中の事件は人権委が調査するものではない。捜査中の事件とは別にR氏が被害を主張するセクハラ事件は調査することができるが、忙しくて始められないでいる」と話した。

 三井住友銀行ソウル支店関係者は「セクハラ事件は検察が捜査中なので答えられない。他の問題は雇用労働部の調査があり、関連公文書が届いた状態だが、該当内容を明らかにすることはできない」と話した。

ジョンファンボン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-22 02:49

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/709877.html 訳Y.B

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