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セクハラ被害者がセクハラ事件の弁護士に変身

登録:2015-03-06 08:41 修正:2015-03-06 08:57
サムスン電機在職中に会社を相手に勝訴し
 退社後に弁護士になったイ・ウンフィ氏
 「弱者の強力なバックになりたい」
イ・ウンフィ弁護士//ハンギョレ新聞社

 法学専門大学院(ロースクール)を卒業し弁護士を開業したばかりの“初心者弁護士”に依頼が殺到している。扱う事件はセクハラ、職場いじめ、“甲チル”(優越者の劣等者に対する横暴)被害がほとんどだ。「サムスン電機セクハラ事件の被害者として私が怯まず会社との訴訟を耐え抜いた後に弁護士になったという事実に勇気づけられた人が多いようです」。イ・ウンフィ弁護士(40、写真)の話だ。

 2005年に部所長のセクハラ事実を会社に知らせ、逆に待機発令などの不利益を被り法廷闘争を続けていた頃、イ氏は自分がセクハラ事件を扱う弁護士になるとは夢にも思わなかった。大学を卒業してサムスンの公開採用で新入社員として入社し、サムスン電機で『仕事のできる代理』として働いていた頃はなおさら想像もきない未来の姿だ。

 何年もかけて会社と争った時間が彼女を鍛えあげた。「なにも間違ったことをしていないのに組織から逸脱した行為をしたという理由だけで社員から無視され、とても孤独でした。だけどそのおかげで職場で問題が起きた場合、初動対処をどうすべきか、誰を信じ誰に気をつけなくてはならないのか現実的な助言ができるようになったと思います」。弁護士になる前のロースクール在学中も、職場のセクハラ事件の被害者から助けを求める連絡を受けたり、サムスンなどの大企業で不当な体験した人たちが相談しにきたという。

 2011年に裁判所がイ氏の手をあげる判決を下した後、イ氏は会社を辞めた。「会社で起きたことをこれ以上問題にしない」とした覚書の署名を拒否した彼女は、自身の体験を記録した『サムスンを生きる』を出版し、全南大ロースクールに進学した。そして2015年、弁護士として再び社会に足を踏み出した。彼女は来週、ソウル瑞草(ソチョ)区で正式に法律事務所を開く。

 「私が職場のセクハラやいじめ事件を体験してもう10年も経つけど、今も続く関連した事件を扱うことになり、誰も踏みにじられないような強力なバックになってあげたい」

イム・ジソン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.03.05 21:31

https://www.hani.co.kr/arti/society/women/681037.html 訳Y.B

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