登録 : 2015.09.18 01:03 修正 : 2015.09.18 16:12

ネイバーのユン・ヨンチャン取締役(右)が17日午後、国会で開かれた政務委員会公正取引委員会の国政監査で証人として出席し、議員の質疑を聞きながら眼鏡を触っている。左はダウムカカオのイ・ビョンソン取締役=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社
 「第3者による名誉毀損」の審議要請を許可
 ポータルニュースに「オフィシャル・コメント」を推進
 インターネット新聞の登録要件の強化まで

 「来年の総選挙控え
 『保守偏向』へ世論地形がさらに傾く」
 インターネットニュース審議機構まで設立を検討
 露骨に言論統制を進める

 政府与党の主導で、全方位からインターネットに対する圧迫が強まっている。セヌリ党の「ポータル改革論」やインターネット審議機構の設立の検討、インターネット新聞の登録要件の強化、第3者による名誉毀損審議の申請の許可、政府や企業のオフィシャル・コメントの導入など、インターネット上の言論活動と表現の自由を萎縮させる恐れがある措置が、最近数カ月間で、同時多発的に進められている。政府与党が来年の総選挙と再来年の大統領選挙を控えて、インターネット上で与党に有利な世論地形を作るための整地作業に乗り出したのではないかという批判の声があがっている。

 キム・ジョンドク文化体育観光部(文体部)長官は11日、文体部の国政監査で、「(インターネットニュースを審議する)民間機構の設立を検討する」と明らかにした。「インターネットの分野でも放送通信審議委員会のように公正性について審議権を持つ機構が必要だ」というセヌリ党のパク・デチュルセヌリ議員の主張に対する回答だった。現在メディアに対する審議規制は公共財である電波を使用する放送の分野だけで行われている。新聞などの放送以外の領域は、自主規制を原則としているが、インターネットニュースは審議対象にできるという意向を明らかにしたものだ。

今年7月には、ブログなどのインターネット上の掲示物の審議と削除権限を持っている放送通信審議委員会が、当事者ではない第3者も名誉毀損審議を要請できるように審議規定を変更すると発表した。たとえば、現在は大統領関連の記事について大統領だけが審議を求めることができるが、今後は捜査機関などが代わりに要請できるようになる。この改正案は、ニューライト性向として知られるパク・ヒョジョン放送審議委員長の直接指示で進められている。「被害の救済」を名分に掲げているが、表現の自由を侵害する危険性が大きいとして、懸念の声が上がっている。

  

政府などが最近推進しているインターネット規制案//ハンギョレ新聞社
文体部は先月21日、インターネット新聞の登録要件を現在の「取材、編集人員3人以上」から「5人以上」に強化する内容の新聞法施行令改正案を立法予告した。立法予告期限の来月1日以降に公表されて施行されることになる。要件を満たさないインターネット新聞は1年の猶予期間後に登録が取り消される。文体部は「インターネット新聞の爆発的な増加で、過度な競争、類似マスコミ行為などが発生している」として、推進の背景を説明した。インターネット記者協会のト・ヒョンレ事務総長は、「登録要件の強化で現在のインターネットメディアの85%以上が登録を取り消されるだろう」とし「憲法が保障する言論の自由を侵害する政府の越権行為だ」と反発した。彼は「小規模のメディアは、既成メディアが出さない声を出すという点で価値があり、このような様々な声を消そうとする意図が何なのか疑問に思う」と述べた。

 2大ポータル企業であるネイバーとダウムカカオは、今年6月、文体部の国民疎通室が主導する「(政府)オンライン報道官定例会会議」に参加し、記事のすぐ下に反論を加えることができる権限を政府や企業に与える「オフィシャル・コメント・サービス」について政府側に説明した。ネイバーは、それ以降「留保」の立場を明らかにしたが、ダウムカカオは引き続き進めている。競合している両社が共同歩調をとったことについて、政府側の圧力があったのではないかという疑惑が持ち上がった。

 両ポータルは、今年中に学界、言論界などの外部の専門家で構成される「公開型ニュース提携評価委員会」を発足させる予定だ。同委員会は、両社とニュースや検索提携を結ぶ報道機関の評価を担当することになる。両社は、その背景として「アビュージング」(同じ記事を少しずつ変えて繰り返し配信する行為)と「類似メディア行為」(脅迫性の記事で、広告主からお金を取る行為)を根絶するためだと説明したが、「ポータルニュースサービスへの参入障壁を高める」という批判を受けている。

 セヌリ「公正性の審議強化」との主張に
 文体部長官「民間機構の設立を検討」
 自主規制の原則、表現の自由への脅威
 既成メディアや企業も利害に応じて同調

 最近、セヌリ党が「ポータルが野党に偏向している」と攻勢に出たのも、このような流れの延長線上にあるものと解釈される。多くのメディア専門家たちは、これまでのポータルが、政府与党の顔色をうかがうあまり、価値中立的な記事を中心に編集し、権力批判などしっかりとした公論の場として機能を果たしていないと指摘してきた。今年5月、メディア専門誌の『メディア今日』がポータルニュースメイン画面を調査した結果によると、今年4月の場合、ネイバーとダウムにおける聯合ニュースとニューシスなど通信社記事のシェアを合わせると、それぞれ39.7%と36.4%に達した。与党の攻勢がポータルを手懐ける策として映るのもそのためだ。聯合ニュースは、一年に300億ウォン(約31億6千万円)規模の国庫支援を受けている。

 昨年と今年、大統領府広報首席室がニューメディア政策秘書官を、文体部国が政広報担当次官補の職をそれぞれ新設して、保守性向のインターネットメディア出身人物を任命したのも、このような流れと無関係ではないと指摘されている。

 これには保守新聞を中心とする既成メディアとメディアの主な広告主である大企業の同調も一役買っている。企業は広告費を求めるメディアの数を減らすため、既成メディアは、自分の広告収入を守るために、規制の動きに手を貸しているということだ。

 キム・チュンシク韓国外国語大学教授(メディアコミュニケーション学)は、「今の動きは、政府与党の『政治的利害関係』と既成メディアや企業などの『市場的な利害関係』が一致したことで起こった」と指摘した。チョン・ヨンウ世明大学教授(広告広報学)は、「政府与党が来年の総選挙などの局面で有利な立場を占めるために、インターネット上の公論の場を圧迫していると思われる。地上波や総合編成チャンネル、新聞などの力で既に片方に傾いている世論の運動場をさらに傾かせる恐れもある」と懸念した。ソン・ギョンジェ慶煕大学人類社会再建研究院教授(政治学)は「憲法裁判所が判示したように、インターネットは『参加的で表現促進的』なメディアだ。政府が、このように自由な情報の流れを妨げる方向で、インターネットを過度に規制することは、言論の自由と民主主義を直接的に侵害することに他ならない」と述べた。

 大統領府のメディア政策関係者は、ハンギョレとの電話インタビューで「インターネット上の公論の場の規制に向けて、大統領府や政府与党が一緒に議論したり、企画したことは絶対になく、可能でもない。多くの人々が問題を認識しており、適切な時期だから同時多発的にあふれ出てきたと見る方が自然だ」と述べた。

チェ・ウォンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-17 21:24

http://www.hani.co.kr/arti/society/media/709449.html 訳H.J

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