雇用部、予算執行は認めながらも
「記事内容介入はしていない」と主張
市民団体「国政監査で集中監査すべき」
中央日報「編集局の企画記事だ」と釈明
雇用労働部が政府の政策広報を民間代行社に委託し、報道機関に関連記事を書く代価として予算を執行する、いわゆる「広報委託」という手法が知られ、労働界と市民団体が強く反発するなど波紋を呼んでいる。
韓国労総は25日声明を出し、「国民の血税を反労働・親企業的な労働政策の広報に使う雇用部に、怒りを禁じ得ない」として「国民の血税を国民世論の操作を目的に使う非正常的な行為を直ちに中断することを要求する」と明らかにした。 また「マスコミが政権と資本の広報代行会社に転落した現実を慨嘆する。マスコミは政権と資本に対する監視と批判という本来の役割に忠実であるよう要求する」と主張した。
民主言論市民連合のキム・オンギョン事務処長は「広報委託形態の政策広報方式は事実上世論を操作する行為だ。報道機関も政府も批判されて当然」と指摘した。 言論改革市民連帯のキム・ドンチャン事務処長は「政府を監視し批判しなければならない報道機関が政府から金を受け取って政策を広報したことは、自ら言論であることを放棄したもの」と批判した。両団体は「今後この問題を徹底的に暴き、国政監査などで集中監査の対象となるようにする」と明らかにした。
雇用部は広報委託を通して報道機関に広報予算を執行してきた事実を認めた。雇用部は 24日夜、ハンギョレの報道に対する「報道釈明資料」を出し、「政策懸案について国民の正しい理解を助けるために広報企画社を通して報道機関の取材報道を間接支援した」と明らかにした。 雇用部は「しかし報道機関が自主的な編集権と取材活動により記事を載せたものであり、雇用部は記事の方向と内容に介入していない。『金を払って記事を買ったもの』ではない」と主張した。
雇用部関係者は25日、ハンギョレとの通話で「どの報道機関を選定するかなども広報代行社に全面的に一任している」と話した。しかし広報委託の経験を持つある広報代行社の関係者は、「“ターンキー広報委託”の主体は事実上政府と報道機関だ。 報道機関の選定などを広報代行社が勝手にやることはできない」と説明する。
雇用部は最初の釈明ではハンギョレ記事で言及された事実内容を全面否定する態度を取ったが、後にこれを翻した。 雇用部は24日の釈明資料には「(ハンギョレ記事に)引用された中央日報記事は、予算が支援された企画記事ではないことが確認された」と書いた。 しかし25日の通話で雇用部関係者は「ハンギョレが言及した中央日報記事のうち、2014年12月8日付7面トップ記事には予算支援をしていない。12月8日付7面補助記事と12月10日付の記事には予算支援をした」と答えた。 関連広報委託を受けた広報代行社の代表は「私たちの立場を明らかにすることはできない。雇用部で事実だと認めたことを事実と見れば良い」と話した。
これに対して中央日報関係者は「編集局は外部の影響を受けて記事を書きはしない。ハンギョレが言及した記事も編集局で独自に企画、報道した記事だ」と明らかにした。 しかし予算支援を受けたか否かについては答えなかった。
24日にM広報代行社が雇用部に提出した「2014年共存の労使文化広報委託結果報告書」などにより、雇用部がいわゆる「(ターンキー)広報委託」を通して政府の政策に友好的な記事に対して1件当たり数千万ウォンの広報予算を執行している実態が明らかになった。 雇用部は昨年一年間だけで「共存の労使文化」など合計14件の政策別広報委託を10社の民間広報代行社に委託して予算61億8700万ウォンを執行した。