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ポータルサイトのネイバーとダウムのロゴ　//ハンギョレ新聞社

　今月10日から始まる国会国政監査を控え、セヌリ党が所属機関の研究報告書を基に「ポータル企業が政治的に偏向している」という主張を強く展開している。ところが、セヌリ党が客観的根拠として挙げた報告書を分析すると、メディアとポータルに対する理解度が著しく低いうえに、データ調査や分析の過程でも様々な基礎的な誤りがあり、客観的な信頼性が低いだけではなく、恣意的な歪曲の可能性についても疑念が持たれている。

　これは、チェ・ヒョンウ西江大学教授の研究チームが最近、セヌリ党のシンクタンクである汝矣島（ヨイド）研究院に依頼されて提出した研究結果（「ポータルサイトのモバイルニュースのメイン画面におけるビッグデータの分析報告書」）を７日、ハンギョレがビッグデータの専門家たちの協力を得て調べた結果だ。報告書は、「今年１月から６カ月間、ネイバー（3万482件）とダウム（1万9754件）のポータルモバイルニュースを分析したところ、政府と与党に対する否定的な記事が、野党に対する否定的な記事より８倍以上多かった」という調査結果を導き出した。

　ところが、内容を詳しく見ると、政党や政治に関する記事だけでなく、「クリームパンパパ初動捜査にミス」、「大学内の性犯罪、文部科学省の統計からも漏れた」、「最新の携帯電話はつながらない...使えないアプリ放置する政府３．０」など警察や関連省庁の明白な過ちを指摘した記事も、すべて政府と与党に「批判的な記事」、または「否定的に表現した記事」に分類した。このような分類で、報告書はネイバーとダウムで、与党に対する否定的な表現が含まれている記事が合わせて1176件で、野党（116件）より10倍近く多いと主張した。 「与党」には、大統領府と全体政府省庁や政府機関などが含まれているのに比べ、「野党」は、新政治民主連合と正義党、統合進歩党だけで、記事の量に差が開かざるを得ない。与野党間の政党の記事のみを比較すると、ネイバーの場合、全体の記事のうち、否定的な表現を使った記事の割合が与党は23.3％、野党は23.4％で、ほぼ同じだ。野党に否定的な記事数が政権与党とあまり変わらないのは、セヌリ党の主張とは裏腹に、むしろ野党に不利なメディア・ポータル環境であると解釈できる。ダウムも19.1％、19.6％でほぼ同じだ。今回の研究を主導したチェ・ヒョンウ教授もハンギョレとの通話で「政府に対する批判と与党批判、野党の批判を区別して（分析を）行わなければならないという指摘は、正しい」と述べた。

　報告書はまた、個々の記事の属性を「否定的」、「中立」、「肯定的」に分類しているが、その方法が非常に曖昧だ。チェ教授は「研究チーム６人全員が、特定の記事に同じように肯定的または否定的であると判断した場合は、そのように分類しており、意見の整理がつかない場合は中立に配置した」と説明した。これは主観的判断による手作業方式で、単に研究者6人の決定に委ねる方式なので、ビッグデータを客観的システムで分析する「ビッグデータ分析」とは言えない。匿名を要求したある教授は「数人の研究者にコーディングルール（評価基準）を教えて、肯定や否定を判断する方式は、一人が扱える量が限られているうえに、コーディングルールをどのように決めるかによって偏向したデータを誘導する可能性があるため、ビッグデータの分析方法ではない」と指摘した。ポータルサイトで「金武星（キム・ムソン）セヌリ党代表より文在寅（ムン・ジェイン）新政治連合代表の露出頻度の方が高い」という分析も誤解を招く素地がある。調査が行われた１月から６月まで、各報道機関がネイバーニュースに提供した両党の代表の記事自体の数が、金代表は17万8130件、文代表は20万1472件だった。文代表の記事自体が多かったのであって、ポータルサイトが恣意的に野党の大統領候補として有力とされる文代表の露出頻度を増やしたわけではなかった。さらに、新政治連合大会が今年2月に開かれており、文代表に関する記事の量が比較的多くならざるを得ない時期だった。

　何よりも、この報告書は、権力を持つ政府と与党を批判したり、牽制する役割を主果たすマスコミの機能を無視しているという指摘も出ている。ポータルサイトに政府与党に対する否定的な記事が多かったのは、ポータルサイトに記事を提供している報道機関が権力機関を批判したり監視する記事をはるかに多く取り上げたからだ。

韓国語原文入力: 2015-09-07 20:00