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[インタビュー]復職期限なく双龍自動車解雇者の苦痛は続く

登録:2015-09-01 20:28 修正:2015-09-02 11:34
キム・ドゥクチュン双龍自動車労組支部長
民主労総金属労組双龍自動車支部のキム・ドゥクチュン支部長が31日午後、京畿道平沢市七槐洞の双龍自動車前で「解雇者復職期限明示」を要求して断食座り込みを行なっている=平沢/イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

「復職期限明示」求めハンスト
今年初め5年ぶりに労使交渉開始
「崖っぷちの生活…ただ待ってはいられない」

 2人の解雇労働者が京畿道の双龍自動車平沢工場内の高さ70メートルの煙突に上がって1カ月が経った1月21日、双龍車労使が対座した。 2009年の整理解雇以来5年5カ月ぶりに開かれた労使交渉だった。 「双龍車解雇者復職」の土台になるとの期待を多くの人が持った。 しかしこの7カ月間は、解雇労働者にとっては“希望拷問”(訳注:相手に希望だけ持たせて一層大きな苦痛を与えること)の時間だった。 核心的争点である「解雇者復職」の論議に一歩の前進もなかったからだ。

 それが、金属労組双龍車支部のキム・ドゥクチュン支部長が31日から京幾道・平沢(ピョンテク)の双龍自動車工場前で「無期限断食」を始めた背景だ。 キム支部長はハンギョレとの通話で「労組が解雇者全員同時復職から一歩退いて順次復職まで譲歩したが、会社側は復職時限をいつと明示することはできないという態度だ」として「崖っぷちに立たされている解雇者としては何年後になるかも分からない復職を当てもなく待つことはできないず、復職時限の明示だけは譲歩できない」と語った。「高空籠城」、断食、五体投地、大漢門(テハンムン)焼香所座り込み…、解雇労働者たちは人ができる事はすべてやってみたが、会社側の「いつという約束のない復職」の絶壁の前に再び立つことになった。キム支部長の断食は、解決のための小さな糸口でも作り出そうという“あがき”であるわけだ。

 キム支部長は7カ月間の交渉で会社側が示した態度について「解雇者の切迫した心を悪用したもの」と批判した。 特に最近会社側は「全てをざっくばらんに出し合って、深く論議しよう」と提案しておきながら、実際の交渉ではこれまで固守して来た「経営状況があるので、復職時期を明示することはできない」という態度を変えようとしていないという。キム支部長は「解雇者の破綻した生活を何とかするためにも、交渉を通しての事態解決が必要だという考えから、惨憺たる思いの中で自尊心まで押し殺し、交渉の席を蹴って出て行くことはしなかった」と訴え、「しかし忍耐の限界を感じる」と語った。 「双龍車整理解雇は正当」とする昨年11月の大法院(最高裁)判決により、仲間とその家族合わせて28人の死を見届けた解雇者たちの目の前で「法の扉」は閉ざされた。 深刻な社会的傷跡を残した双龍車問題の解決法は、事実上、労使間の“対話”に求めるしかない状況だ。

 断食は続けるが、双龍車支部は対話の綱は放さない計画だ。 キム支部長は「復職のために闘った解雇者185人のうちただの一人もあきらめることはできないし、段階的・順次的に復職するとしても期限は必ず明示されなければならない」として「交渉を通して復職問題を解決したい。会社側は双龍車が新しい未来に進むことができる進展した案を持って来なければならない」と主張した。 9月1日、双龍車労使はまた交渉をもつ事にした。

キム・ミンギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-31 21:03

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/706785.html 訳A.K(1521字)

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