中央軍事委委員 一部交替
地雷爆発事態との関連性に注目
金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党第1書記が南北「2+2高位当局者接触」で実現させた合意を「豊かに結実させよう」として、南北関係改善の意志を公式に表明した。 金第1書記は28日、朝鮮労働党中央軍事委員会拡大会議でこのように明らかにした。また、金第1書記は一部の中央軍事委員を解任したが、地雷爆発後の事態展開との関連性に関心が集まっている。
北朝鮮官営の朝鮮中央通信はこの日、中央軍事委拡大会議開催の便りを報道して、金第1書記が「今回の接触結果は民族の運命を憂慮して平和を大切にする崇高な理念の勝利だ。 我々は運命的なタイミングで災いを福に転換させた今回の合意を大切にし、豊かに結実させていくべきだ」と述べたと伝えた。さらに金第1書記は「北南高位級緊急接触で共同声明文が発表されたことは、尖鋭な軍事的緊張状態を解消し破局に瀕した北南関係を平和と信頼の道に変えた重大な転換的契機となる」と述べたと伝えた。 その一方で金第1書記は、この合意は核抑止力を始めとする軍事的能力のために実現できたことを強調したと同通信は付け加えた。
金第1書記の動静と発言が北側メディアに紹介されたのは、「準戦時体制」を宣言した20日夜の中央軍事委拡大会議以後8日ぶりだ。 専門家たちは金第1書記が沈黙を破って出した初めての発言で南北関係の改善を強調した点に意味があると指摘した。チョン・ソンジャン世宗(セジョン)研究所統一戦略研究室長は「金正恩が南北高位当局者接触結果に関して公開的に言及し、『結実させよう』と強調したことは、北朝鮮の指導者としては前例のないこと」とし、「南北当局間対話が当分は順調に進行されるものと予想される」と話した。 南側が2+2接触以後、「速度調節」ムードを見せていることとは異なり、北側が今後の南北対話を主導するために一層積極的に出てくることを予告したという分析もある。
また、同通信はこの日の拡大会議で一部の中央軍事委員を解任および任命したと伝えたが、具体的名簿は明らかにはしなかった。 ひとまず解任された可能性が高い人物としては、今年4月末に処刑されたと分かったヒョン・ヨンチョル前人民武力部長、今年に入って総参謀部作戦局長職から解任されたキム・チュンサムが挙げられる。二人に代わってヒョン・ヨンチョル粛清以後に新たに任命されたノ・グァンチョル人民武力部第1部長、チョ・ナムジン総政治局組織副局長が任命された可能性も議論されている。
一部では地雷爆発の責任を問い、作戦指揮ラインにあるリ・ヨンギル総参謀長、ソ・ホンチャン総参謀部作戦局長(推定)、キム・ヨンチョル偵察総局長や関連軍団長など一線の部隊長が解任された可能性も提起されている。 だが、チョン・ソンジャン室長は「地雷挑発と関連しての指揮ライン解任だったかは今後を見守らなければならない」と慎重論を展開した。 政府関係者も「現時点では誰がなぜ解任されたのか予断し難い」と話した。
金第1書記が中央軍事委拡大会議を開催して決定事項を公開するのは、以前の金日成(キム・イルソン)主席と金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の時とは異なる態度という分析も出ている。 ヤン・ムジン北韓大学院大学教授は「金正恩時代に入ってからの特徴は、国家重大事をそれなりのシステムを通じて決める姿を見せていること」と話した。 20日夜にも金第1書記は中央軍事委非常拡大会議を開いて準戦時体制宣言を決めたと発表した。
チョン・ソンジャン室長は「対北朝鮮ビラ散布と国際社会での対北朝鮮人権問題提起など多くの暗礁が横たわっていて、南北関係が継続的に巡航するためには南北双方の強力な関係改善意志が必須だ」と注文した。 キム・ヨンヒョン東国大北韓学科教授は「朴槿恵(パク・クネ)政権が『我々が強く出て行ったために勝利した。北朝鮮も思いのままにコントロールできる』などと考えてはならない。そうではなく、謙虚に接近すれば南北関係跳躍の契機にしうるだろう」と話した。