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日本の右翼基金で研究を続ける韓国の教授たち

登録:2015-08-20 00:20 修正:2015-08-20 08:18
 A級戦犯が設立した財団が資金を出した
 「アジア研究基金」を通じて韓日研究
 韓国人理事6人のうち3人が延世大教授
 基金側「日本右翼の影響は受けていない」
東京・赤坂の日本財団本部//ハンギョレ新聞社

 2005年5月、延世大教授協議会は「誰が日本極右勢力の黒い金“アジア研究基金”を延世大に引き込んだのか」という資料集を出した。太平洋戦争のA級戦犯、笹川良一が設立した「日本財団」が、延世大に出した資金75億ウォンで1995年に作られたアジア研究基金を批判し、基金の解体を求める内容だった。 笹川は1930年代に日本の右翼団体である国粋大衆党を作り、「1人1艦撃滅」という神風特攻隊の理論的背景を提供した人物として知られている。当時の教授たちは「日本でも良心のある知識人はこの財団の金を受け取らない」として反発した。

 光復70周年を迎えた2015年現在もアジア研究基金は健在だ。 資産は100億ウォンを超えた。 18日、ハンギョレがこの基金の年次報告書を調べた結果、最近9年間の各種研究と学術交流事業に42億ウォンを支援するなど活発に動いていた。 資産も利子収益等を通して103億ウォン余りに膨らんでいた。

 理事会は日本と韓国で順番に開かれるが、2012年には右翼政治家の赤沢亮正・自民党衆議院議員が理事に選出されている。 赤沢亮正氏はかつて「竹島(独島)は韓国が不法占拠中だ」等の発言をした人物で、今は内閣府副大臣(次官)を務めている。 彼は3年の任期を終えて今年6月に基金理事職から退いた。 基金運営初期に日本歴史教科書歪曲を主導した「新しい歴史教科書をつくる会」に所属する人物が理事を務めたこともある。

 これに対し、ペ・ジョンユン・アジア研究基金事務総長は「赤沢議員を理事として日本側が推薦した時、韓国側で議論になったことはある」としつつも、「理事1人が基金を左右できないという共感があって結局は受け入れることにした」と話した。 ペ事務総長はまた「今年理事長が変わって中立的な人々で理事陣が満たされた」と話した。

 延世大との特別な関係もやはり解消されていなかった。今年理事長になったムン・チョンイン教授をはじめ、韓国人理事6人のうち3人が延世大教授だ。 基金の理事だったチョン・チャンヨン元教授、事務総長を務めたチョン・カプヨン教授は延世大の元・現職総長だ。やはり延世大教授のペ事務総長は、「資金の出処に心配があっても、結局は韓日関係発展のために使われている。 結果を見れば日本極右勢力の影響を全く受けなかった。理事長をはじめ韓国側理事陣は全員資金の使われ方に特に注意している」と話した。

 匿名を要請したある延世大教授は「研究結果とは別に、基金を通じて日本財団の資金恩恵を受けている学者を(日本側が)人的ネットワークで縛ることもありうる」と話した。

パン・ジュノ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/705143.html 韓国語原文入力:2015-08-19 22:25
訳J.S(1302字)

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