忠清南道牙山(アサン)の鮮文大は、在学生のイ・サンホ氏(28、ナノ科学部)たちが出した論文「携帯電話画面の発光性能を高め、バッテリー使用時間を延ばす研究」が、材料分野の権威学術誌である米化学学会(ACS)ジャーナル『アプライド・マテリアルズ・アンド・インターフェース』最新号に掲載されたと11日明らかにした。
大学院生のイ氏とキム・ファンシク氏(24、機械ICT融合工学部4年)、シン・ジュニョン氏(24、同3年)が発表した論文のタイトルは「過ドーピングされたキャリアバランスの取れた電荷直接注入効果による蛍光有機電界発光素子の研究」。スマートフォンの画面として使われる有機発光ダイオード(OLED)は、赤、青、緑の三つの発光素子で構成されるが、このうち緑の発光素子が最も明るい光を出す蛍光不純物添加比率が4%であることを明らかにし、その理由と過程を3人は科学的に立証した。 不純物を発光素子に添加すればエネルギーが2段階を経て移動するが、過ドーピングすればエネルギーが段階を経ずに直ちに移動し効率性が高まると説明した。 発光素子には蛍光物質と燐光物質の二つがあり、不純物ドーピングの比率は蛍光が1~2%、燐光は10%というのがこれまでの学界の定説だった。
イ氏は「不純物の添加比率を4%に高めたところ、発光効率が30%向上し少ない電力で発光する時間を延ばすことができた。これをスマートフォンに適用すれば8時間しかもたない携帯電話のバッテリー容量が12時間まで延びる」と話した。 イ氏はたまたま計算ミスで蛍光不純物の投入量を誤って計算したところ優秀な結果を得たので、後輩たちと研究を続け原因を明らかにした。
リュ・スンユン指導教授(機械ICT融合工学部)は、「蛍光物質に不純物の添加比率を高めれば効率が上がるという理論は存在したが、最高の効率を得る添加比率は分かっていなかった。今回の研究はこのような理論を実際に検証し、科学的にも立証したという点で意味が大きい」と話した。