新政治民主連合は23日、携帯電話のハッキングプログラムを利用して民間人を査察(監視)した疑惑を受けている元・現職国家情報院長を含む国家情報院関係者を、通信秘密保護法(不法傍受)と情報通信法(ハッキング)、刑事訴訟法(証拠隠滅)違反などの疑いでソウル中央地検に告発した。
同連合は文在寅(ムン・ジェイン)代表名義の告発状で、「国家情報院がスパイウェアを活用したハッキングで違法情報を取得し、この事実を隠すために証拠を隠滅した行為に対して徹底的に捜査してほしい」と明らかにした。当初、同連合はウォン・セフン、ナム・ジェジュン、イ・ビョンギ元国家情報院長とイ・ビョンホ現国家情報院長、1・2・3次長と監察室長を被告発人として明記しようとしたが、事案の性質上、告発人を特定するのが難しいとの判断から、告発対象を「容疑に関連する国家情報院関係者」と表記した。プログラムの取引を仲介した「ナナテック」も一緒に告発した。
これに先立ち、同連合の安哲秀(アン・チョルス)国民情報保障委員長は懇談会を開き、「ハッキング疑惑の真実究明のために今日の午後までに7つの分野の30件の資料を提出することを求めたが、国家情報院は無返答」だとし、「ハッキングの指示者と対象だけではなく、自ら命を絶った国家情報院職員の自殺の背景と原因についても捜査当局の調査が必要だ」と述べた。安委員長は、国家情報院のハッキング疑惑に関連し、委員会による事実確認と政策代案の用意▽国会情報委員会中心の真実究明▽検察告発と捜査を並行する3段階の対応方針を示唆した。
専門家の間では、検察が迅速な捜査をしない場合、証拠が消える可能性を懸念する声も広がっている。通信会社がログ記録を保持する期間が3〜6カ月程度で、早ければ来月からは記録が消える可能性があるからだ。
これまで明らかになった内容のうち、国家情報院が韓国人を対象にハッキングを試みた最も有力な情況は、イタリアのセキュリティ企業「ハッキングチーム」の流出資料で発見された国内IP記録だ。先月3日と4日、17日にハッキング対象になったスマートフォンの国内IPが三つ発見されたからだ。このIPはSKTに割り当てられているもので、SKTのサーバーに残ったログ記録を確認すれば、国家情報院がハッキング対象とした人物を特定できる。しかし、通信事業者のログ記録を保存期間は短ければ3カ月となっており、SKTサーバーに記録された国家情報院によるハッキング対象の情報が早ければ1カ月後には消えるかもしれないということだ。
韓国語原文入力: 2015-07-23 19:56