本文に移動

聴聞会へ資料提供拒否するファン首相候補者

登録:2015-06-07 22:02 修正:2015-06-08 06:39
 兵役免除・高額受託料・マンション値引き契約書…
 野党、日程延期要請など神経戦
ファン・ギョアン首相候補者=//ハンギョレ新聞社

 8日から3日間の日程で開かれるファン・ギョアン首相候補者に対する人事聴聞会が、“MERS事態”で多少関心から遠ざかりはしたが、今回の聴聞会も歴代の朴槿恵(パク・クネ)政権の首相および主要長官らの場合と同様、候補者の過去の行跡と各種疑惑を巡り熾烈な論議と攻防が展開されると見られる。

 ファン候補者は自身に提起された主な疑惑に対する資料の提出を聴聞会の前日である7日まで応じず、これに対し野党が聴聞会の延期を要求するなど、聴聞会以前から激しい神経戦が起きている。 新政治民主連合など野党は、「前官待遇」や兵役免除、ダウン(値引き)契約書作成を通じた税金脱漏などの疑惑を提起している。

 野党が集中的に検証しようとしている点は、ファン候補者の弁護士時期の担当問題など前官待遇問題だ。 ファン候補者は2011年9月に釜山高等検察庁長として退任した後、法務法人「太平洋」の顧問弁護士として活動し、17カ月間に17億ウォンの受託料を受け取り、すでに2013年の法務部長官聴聞会の際にも高額受託料や前官待遇が問題にされた。 今回はまた、退職前の勤務機関である釜山高等検察管轄の釜山・昌原(チャンウォン)地検の事件を7件以上担当したのをはじめ、ファン候補者が弁護士時期に担当した101件の事件のうち正式に選任届けを提出した事件が僅か3件に過ぎないことも俎上に上がっている。 いわゆる電話を通じて担当判事や検事に請託する“電話弁論”をしたのではないかとの疑惑だ。 電話弁論は前官待遇を利用する代表例だ。

弁護士として17カ月間の受託料17億ウォン…
“前官待遇”代価の有無に注目集中
賞与金支給時期ではないのに
法務長官への指名後に1億ウォン余受領
“じんま疹”判定前に兵役免除も物議
1997年、アパートのダウン契約書作成
624万ウォン 税金脱漏疑惑 釈明は必要
長官時期の政治中立義務違反も争点
ファン候補側「聴聞会で全て説明」

 だがファン候補者は、弁護士時期の事件担当内訳119件中19件に対して詳細を削除して提出した。 野党側ではファン候補者が弁護士時期にどんな事件を担当し、正確にいくら稼ぎ、その金がどこに流れたかを調べなければならないという立場だ。 それが子女に対する便法贈与疑惑を糾明するカギと見ている。 この他に法務部長官指名以後に法務法人太平洋から給与および賞与として1億1000万余ウォンを受け取ったことに対しても野党側では「長官就任祝い金・保険金の性格ではないか」という疑惑も提起している。

 特に個人身上項目では、兵役免除が最大の論争点になると見られる。 兵役免除過程がすっきり説明されていないだけでなく、理由はどうあろうと兵役免除を受けたことは事実で、首相候補者の兵役免除に対する一般国民の視線が冷たいためだ。 彼は大学に通っていた1977~1979年に徴兵検査を延期して、1980年の検査で「慢性じんましん」という皮膚疾患で第2国民役(免除)判定を受けた経緯がある。 最近、ファン候補者の兵籍記録簿に兵役免除処分を受けた日(7月4日)より、じんましん判定を受けた日(10日)が後であることが明らかになった。 野党側は「ファン候補者が慢性じんましんを病んだという医学的根拠も提示できずにいて、治療を受けたという事実も証明できずにいる」として「明らかな根拠を提示できなければ、兵役逃れ」と強調した。

 また、野党は「ダウン契約書作成」疑惑も新たに提起した。 ファン候補者が1997年にソウル瑞草(ソチョ)区蚕院(チャムォン)洞のアパートを4億3750万ウォンで買いとっていながら、3億3000万ウォンと申告し、約624万ウォンの税金を免れようとした疑惑だ。

 個人の身上と道徳性の他に、政治的論争点でも激しい攻防が予想される。 ファン候補者は法務部長官在任中に各種検察捜査などで政治的中立性に違反したり、不適切な捜査介入をしたという論議が起こった。 ファン候補者は朴槿恵(パク・クネ)政権の正統性がかかった国家情報院の大統領選挙介入事件捜査当時、ソウル中央地検特別捜査チームが公職選挙法違反疑惑を適用してウォン・セフン元国家情報院長の勾留状を請求しようとすると、「法理検討」を口実に時間稼ぎをし選挙法の適用と勾留請求を妨害した。 また、彼はイ・ソクキ議員内乱陰謀事件を口実に、憲政史上初めて統合進歩党解散審判請求に乗り出し、請求人代表として憲法裁判所審判法廷に出て行き直接弁論に立ちもした。

 この他にもファン候補者がソウル中央地検2次長時期、“餅代検事”とサムスン関係者らは証拠不充分などを理由に全員無嫌疑処分を下し、盗聴内容を暴露した記者と餅代検事の実名だけを公開したノ・フェチャン元議員だけを起訴したことについても手抜き捜査疑惑を提起している。

 野党が提起している各種疑惑に対してファン候補者側では「聴聞会で全てを説明する」という立場だけを繰り返した。 野党によれば、ファン候補者側がこの日までしても人事聴聞特別委員会が提出を議決した資料のうち61.6%に該当する資料を提出しなかった。 これに対しイ・ジョンゴル新政治民主連合院内代表は必須検証の資料が提出されておらず、聴聞会準備に困難を来しているとし、ユ・スンミン セヌリ党院内代表に聴聞会の日程延期を要請した。 だが、セヌリ党では「一部資料の提出問題を理由に聴聞会の日程自体を変更することは許されない」としこれを拒否した。 セヌリ党側ではファン候補者が法務部長官を歴任しており、すでに首相としての資質の検証を受けたとし、14日に予定された朴槿恵大統領の米国訪問前にファン候補者に対する国会任命同意手続きを終えることを目標にしている。

イ・ジョンエ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/694676.html 韓国語原文入力:2015-06-07 20:10
訳J.S(2584字)

関連記事