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北朝鮮、2〜3年で「SLBM発射潜水艦」戦力化

登録:2015-05-12 00:01 修正:2015-05-12 13:16
 弾道ミサイル開発、装着までは4〜5年と分析
 軍当局者「弾頭小型化などの課題残る」
 韓国型MD・キルチェーン無力化懸念に「韓米戦力で制圧できる」
 セヌリ党ユ・スンミン院内代表「ミサイル防衛システム全面再検討すべき」

 北朝鮮が早ければ2〜3年以内に弾道ミサイル搭載・発射が可能な潜水艦を早期戦力化できる見込みであることが11日、明らかになった。与党からは、北朝鮮が「潜水艦発射弾道ミサイル」(SLBM)射出実験に成功したことを受け、ミサイル防衛システムの全体的な見直しの必要性が提起された。政府は、既存のミサイル防衛構築計画にレーダーなどいくつかの戦力の補完で対応できるとし、安全保障に対する過度の懸念を警戒した。

北朝鮮の新浦旧潜水艦ミサイルに対する防御 //ハンギョレ新聞社

■新浦級潜水艦開発の実態

 韓国軍の消息通はこの日、「北朝鮮が最近、潜水艦から弾道ミサイル模擬弾を射出した試験は成功的だった」と評価した。北朝鮮は9日、潜水艦発射弾道ミサイル発射試験に成功したと明らかにした。水中で射出された模擬弾は水面から150メートルほど飛び出したことが分かった。同筋は「新浦級潜水艦はミサイル発射管を装着したが、まだ魚雷など、他の武装や内部機器などを装着する作業が残っているため、戦力化までは早ければ2〜3年かかるだろう」と予想した。

 北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル自体を完全に開発し戦力化するには、4〜5年程度かかると分析された。潜水艦の建造やミサイル発射管装着とは別に、弾道ミサイルの弾頭の開発などに時間がかかる可能性があるからだ。同筋は「潜水艦発射ミサイルを開発した外国も水中射出試験から戦力化まで4〜5年かかった」とし「北朝鮮の場合、まだミサイル弾体の開発のために飛行実験、弾頭小型化、再進入技術の確保など、まだ多くの課題が残されている」と述べた。

 北朝鮮は、弾道ミサイル発射管を装着した新浦級潜水艦を1隻建造したと伝えられた。軍当局者は「新浦級潜水艦量産の動きはまだ見られない」と述べた。軍当局は、北朝鮮が開発している潜水艦発射弾道ミサイルが、旧ソ連のゴルフ級潜水艦に搭載したSN-6-Nミサイルと類似していると見ている。 SN-6-Nミサイルは射程距離240キロメートルで弾頭の重量は650キログラムだ。

 軍当局は、北朝鮮の潜水艦発射ミサイル開発状況を以前から把握し、開発過程を追跡してきた。軍当局者は「北朝鮮が90年代のゴルフ級潜水艦を購入してから、潜水艦発射ミサイルを開発しているという情報はヒューミントなどを通じて把握した」とし「2010年代以降、北朝鮮が地上射出試験に続いて水中射出試験を行う姿が何回も捉えられたが、今回金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党第一書記が見守る中、初めて公開された」と述べた。

北朝鮮のSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の概要 //ハンギョレ新聞社

■ミサイル防衛網の無力化をめぐる議論

 この日、セヌリ党からは、既存のミサイル防衛システムが無力化する危機に直面したとし、全般的な見直しの必要性が提起された。ユ・スンミン院内代表は、国会で開かれた安全保障党政協議と最高委員会などで「私たち(韓国)ミサイル防衛システムの全体的な見直しが必要であり、現在の戦略が再確立されなければならない」と述べた。ウォン・ユチョル政策委議長も「地上挑発を前提とした北朝鮮核とミサイル挑発に対し、韓国軍は韓国型ミサイル防衛(KAMD)システムを構築したが、北朝鮮の発表が事実なら、新たな対応体系を作る必要がありのではないか」と懸念した。

 北朝鮮のミサイル発射の兆候が見られたら、先制的にミサイルを撃破するという「キルチェーン」は、高度の機密性を保持する潜水艦発射ミサイルの場合、その兆候を捉えるのが難しく、韓国型ミサイル防衛も地上ミサイルの迎撃が中心とされているため、新しい対策が必要とされる。

 これに対して国防部関係者は、「北朝鮮の潜水艦発射ミサイル開発により、私たちのキルチェーンと韓国型ミサイル防衛が無力化されるのではないかと懸念されているが、そのようなことは全くない」と反論した。同関係者は「北朝鮮の新浦級潜水艦が実際戦力化されると、韓米連合情報資産の重要目標として集中的に管理されることになる」とし「韓米連合情報、偵察、監視、偵察資産を動員し追跡し、巡航ミサイルの玄武-3、空対地精密誘導兵器であるスラム-ER、イージス艦などで十分制圧できる」と付け加えた。

 政府はまた、海岸側の偵察能力を強化するために、探知距離600キロメートルであるイスラエル製の早期警報レーダー「グリーンファイン」の追加導入案も検討していると伝えられた。合同参謀本部は、チェ・ユンヒ合同参謀議長とカーティス・スカパロッティ韓米連合司令官が12日、北朝鮮の潜水艦発射ミサイル開発と関連し、共同対応を議論すると発表した。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-05-11 20:37

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/690755.html  訳H.J

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