「ソンワンジョン・リスト」問題の波紋が広がる中で全国4カ所で行われた4・29国会議員再補欠選挙で、セヌリ党が首都圏3カ所を席巻し圧勝した。新政治民主連合は自党の票田である光州までも無所属に議席を奪われ、一議席も得られず惨敗した。
新政治民主連合は与党を強打したソンワンジョン問題の最中に完敗したことにより、野党分裂と政局対応の失敗の責任論に包まれ、深刻な混沌に陥ると見られる。 反面、セヌリ党と大統領府は守勢を脱して政局の主導権強化に出るものと見られる。
最大の激戦地区と言われたソウル冠岳(クァナク)乙では、午後11時現在、セヌリ党のオ・シヌァン候補がチョン・テホ新政治民主連合候補に大差をつけ当選が有力だ。 与党がこの地域で当選するのは27年ぶりだ。 新政治民主連合を離党し無所属で出馬したチョン・ドンヨン候補は3位に終わり、院内再進入に失敗した。
同じく野党圏のきっ抗した対決で関心を集めた光州(クァンジュ)西乙では新政治民主連合に身を置いたチョン・ジョンベ無所属候補が2万6256票(52.37%)を得て、1万4939票(29.80%)を得たチョ・ヨンテク同連合候補を抜き議員バッチを付けた。
城南・中院(チュンウォン)でも、セヌリ党のシン・サンジン候補が新政治民主連合のチョン・ファンソク候補を破り三選に成功した。 仁川西江華(カンファ)乙は午後11時現在でセヌリ党のアン・サンス候補が新政治民主連合のシン・ドングン候補を大差で上回り当選が確実視されている。
新政治民主連合が惨敗したのは、当初ソウル冠岳乙と光州西乙でそれぞれ無所属で出馬したチョン・ドンヨン、チョン・ジョンベ候補との“野党圏分裂”を克服できなかったことが第一の原因に挙げられる。同連合はソンワンジョン問題の中でも「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権のソン・ワンジョン特赦」に執着したセヌリ党の“焦点ボカシ”に巻き込まれ、効果的な対応に失敗した。 選挙前日、朴槿恵(パク・クネ)大統領までが病床から野党を狙った捜査ガイドラインを提示したことにより、保守層を結集させたものと見られる。 今回の惨敗で文在寅(ムン・ジェイン)代表と指導部が責任論に直面するのはもちろん、野党全体の再編論議に火がつく状況も予想される。
反面、余裕を回復した与党では、金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表が一層強化された与党の地位と党掌握力を基に来年4月の総選挙に備えた戦列を整備していくものと見られる。 朴大統領も予告した通り政界全方向司正ドライブの速度を上げ、国政の主導権を掌握しようとするものと予想される。
今回の国会議員再補選選挙での平均投票率は昨年7・30補欠選(32.9%)より3.1%高い36.0%と暫定集計された。 光州西乙が41.1%で最も高く、ソウル冠岳乙が36.9%、仁川西江華乙が36.6%で後に続き、京畿道城南中院が31.5%で最も低かった。