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セヌリ党の低価格たばこ案、世論の反発で急遽撤回

登録:2015-02-23 22:17 修正:2015-02-24 06:36

故郷に行ってきたセヌリ党議員たち
アイデア出した指導部を糾弾
院内指導部“推進する計画はない”

新政治民主連合“姑息な増税”と批判しつつも
“キザミたばこ減税”批判が相次ぐと
「党の検討を経たものではない」打ち消し

ユ・スンミン セヌリ党院内代表//ハンギョレ新聞社

 旧正月連休を熱気で満たした低所得層のための“低価格タバコ”、“キザミたばこ(自分で巻いて吸うたばこ)”論議が23日に再開された2月国会で再び火がついた。この論議を薪をくべて火をつけたセヌリ党では「低価格タバコの導入は検討していない」と一歩後ろに引き下がっているが、野党はもちろん与党内でも「病気にさせて薬を出すのか」という批判が起きている。

 怒りの旧正月を迎える世論に接したセヌリ党議員たちは、この日低価格たばこアイデアを出した院内指導部に向かって糾弾の声を浴びせた。 重鎮のチョン・ウテク議員は文化放送(MBC)ラジオとのインタビューで「わずか50日前にたばこの値上げしたばかりじゃないか」として「今になって低価格たばこを導入するということは(たばこ値上げの目的である)“国民健康”はなくなり“増税”だけが残ることになる」と批判した。 党の初・再選議員の集いである「朝の声」の会議でも、「悪い政策以上に悪い政策は、一貫性のない政策だ」(キム・ヨンウ首席スポークスマン)、「たばこの値上げからいくらも経たずに低価格たばこを作るといえば、心中が見透かされて当たり前」(パク・インスク議員)などの指摘が相次いだ。

 昨年のイ・ワング院内代表体制では、たばこの値上げは健康増進が目的だと政府と歩調を合わせておきながら、新ユ・スンミン体制では庶民の負担を前面に掲げて低価格たばこ導入論を持ち出して、悪化した世論に油をかけたということが議員たちの不満だ。 ユ・スンミン院内代表が17日の非公開院内対策会議で「お年寄りが『たばこ値上げで基礎年金を再び奪おうとしているのではないか』という批判がある」として、低価格たばこについて検討を指示したという便りが知らされた後、マスコミとインターネット上では「国民を愚弄している」、「国民を馬鹿だと思っている」という非難が噴出した。セヌリ党のある当局者は「(ユ院内代表が)旧正月連休を控えて世論(反転)に役に立つのではと考えて出したアイデアのようだが、(世論が)一層悪化した」と話した。

 院内指導部は急遽鎮火に乗り出した。 ウォン・ユチョル政策委議長は韓国放送(KBS)ラジオに出演して「 (当時、会議で庶民とお年寄りの負担を減らすために)「何か妙案はないだろうか」というアイデア次元で話を出した。その程度のことと理解してほしい」と釈明した。 最初に“安いたばこ”を言い出したユ・スンミン院内代表も最近、マスコミとのインタビューで「検討次元で出た話であり、直ちに推進する計画は全くない」と繰り返し「検討撤回」を強調した。

 新政治民主連合はたばこ値上げは“姑息な増税”だったという主張を再び持ち出した。 パク・ワンジュ院内スポークスマンはこの日のブリーフィングで「政権与党の院内代表による低価格たばこ導入検討発言は、たばこ値上げが国民の健康のための禁煙政策と言っていた自分たちの論理を否定することで、たばこの値上げが“姑息な庶民増税”だったことを自認すること」とトーンを高めた。しかし、低価格たばこ論議については野党も大きなことは言えない状況だ。チョン・ビョンホン最高委員が低所得層のためのキザミタバコ(自分で巻いて吸うたばこ)に対する税金を一部減免し、韓国でもこの商品を生産・発売するよう誘導しようという提案を出し、インターネットでは「低所得層は健康にもっと良くないたばこを吸えと言うのか」という辛辣な意見が相次いだ経緯がある。 これに対してウ・ユングン院内代表は22日、記者懇談会で「我が党のある最高委員が低価格たばこ導入法案を出したが、党の政策委での検討を経たものではなく、慎重な検討が必要だ」と党次元の見解ではないと明らかにした。

ソ・ボミ、イ・セヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/679315.html 韓国語原文入力:2015/02/23 19:54
訳J.S(1833字)

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