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“責任首相”になれない李完九に早くも憂慮の声

登録:2015-02-16 21:40 修正:2015-02-17 16:53
承認案表決は賛成148反対128
各種疑惑に賛成率は歴代最低
李完九首相候補者任命同意表決結果。 //ハンギョレ新聞社

首相権限行使と豪語したものの
国政運営推進力喪失の憂慮
「大統領に直言し突破口を見出さなければ」

 李完九(イ・ワング)首相候補者に対する任命同意案が16日、国会本会議を通過した。 先月23日に首相に内定して24日ぶりだ。李首相は承認過程で不動産投機、兵役忌避、言論外圧疑惑など“疑惑の百貨店”とされ少なからぬ傷を負った。与大野小の状況にもかかわらず人事聴聞会制度が導入された2000年のイ・ハンドン首相以来、最低の賛成率で首相に就任したため、本人が主張してきた“責任首相”の役割を遂行する上で相当な制約が伴うものと見られる。 名ばかりの首相にならないためには、朴槿恵(パク・クネ)大統領に直言する所信首相になりうる政治力を発揮しなければならないと指摘される。

 李完九首相任命同意案はこの日、在籍議員295人のうち281人が参加した無記名秘密投票で賛成148票、反対128票、無効5票で可決された。 セヌリ党155人、新政治民主連合124人、無所属2人が参加した。 正義党所属議員5人は全員参加しなかった。 賛成率は52.7%で金大中(キム・デジュン)政権のイ・ハンドン首相(51.1%)以来の最低水準だ。 イ・ハンドン首相の時は与小野大の状況であったことを考えると、政治的打撃はさらに大きいと思われる。 約束した責任首相として内閣を力強く導く推進力を失ったという分析が出てくる理由だ。

 チョン・ヨンジョン培材大教授(公共行政学科)は「行政府の政策を調整し大統領府と政界の架け橋の役割をしなければならない首相が、各種疑惑にともなう批判世論で所信を持って仕事をすることが困難な状況になった」として「投機疑惑、次男の納税義務回避疑惑、報道機関外圧疑惑などがすっきり解消されていない状況で、行政府内でも指示が通らず、国民も李首相を疑い続けざるをえない」と指摘した。 あるセヌリ党議員も「李首相が承認過程で多くの傷を負って、疎通首相、責任首相としての役割が萎縮せざるをえない」と話した。

与野党議員が16日午後、国会本会議場で列んで李完九首相候補者任命同意案に投票している。 イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 李首相は先月23日、首相内定の直後にマスコミ等を通して「大統領に苦言できる首相になる」 「憲法と法律で保障された首相の権限を行使する」など責任首相としての意欲を繰り返し表明した。 今月11日の国会人事聴聞会では「大統領府が人事権を全て行使したらどうするか」という野党議員の質問に「首相を辞める」と豪語したことがある。

 党と大統領府の架け橋の役割をすると見られた李首相の与党内の立場も狭まっている。 チェ・チャンニョル龍仁大教授(政治学)は「与党と政策を調整していかなければならない首相が(積極的に自身を通過させるために努力した)与党に対する負債意識を持って恩返ししなければならない境遇に置かれた」として「大統領府はもちろん党に対しても声を上げにくい状況」と話した。

 このような状況で李首相が“カカシ首相”に転落しないためには、首相指名後の第一声で明らかにした通り「大統領に苦言する首相」にならなければならないという指摘が出ている。 チェ・チャンニョル教授は「李首相が現在の困難な状況を克服するためには、鮮明性を前面に出して自身がした約束どおり首相としての鮮明性を前面に出さなければならない」と話した。 ある与党重鎮議員も「李首相が指名直後に言った言葉の通り、朴大統領に苦言し野党も尊重して首相職を遂行してこそ、本人も生き党も生き大統領府も生きられる」と話した。

 朴大統領も李首相を尊重する態度を見せなければならないという指摘もある。キム・ヒョンジュン明知大教授(政治学)は「大統領府は首相任命同意案が通過する以前に、すでに17日に改閣すると事実上明らかにした」として「このような状況でどうして首相の役割を期待できるか。 大統領が首相に力を与えることが先」と話した。 チョン・ヨンジョン教授も「大統領が変わらなければ、人的刷新も国政3年目の改革課題も難しい」と明らかにした。

 最後まで安心できず与野党の表決結果に神経を尖らせていた大統領府は、李候補者の承認案が通過されてようやく胸をなで下ろした。 公式論評や反応は出さなかったものの、大統領府関係者は承認案通過直後に“良かった”という言葉で焦っていた内部のムードを伝えた。 この関係者は「すでに予告されたことであり、特別なことがない限りは17日に後続改閣と大統領府人事改編が行われるだろう」と見通した。 関心を集めている後任秘書室長に関連しては、今まで候補群として言及されなかった第3の人物が抜擢されるという展望が出ている。

キム・ギョンウク、ファン・ジュンボム、ソク・ジンファン記者、写真イ・ジョンウ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/02/16 20:01

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/678712.html
訳J.S(2185字)

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