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中国人で繁盛する韓国の整形手術にボッタクリが横行

登録:2015-02-14 00:57 修正:2015-02-14 07:57
中国人女性患者の脳死事故発生をきっかけに
政府、外国人美容整形違法ブローカーにメスを入れる
申告すると報奨金...取引した病院も処罰することに
地下鉄駅の中に設置された美容整形外科の広告看板。ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞

  先月27日、ソウル清潭(チョンダム)洞のある整形外科で手術を受けていた中国人女性が脳死状態に陥る事故が発生した。韓国を訪れ、6時間かけて目と鼻の複合整形手術を受けた女性は、突然呼吸が止まり、意識を失った。女性は急いで近くの大型病院に運ばれたが、結局脳死判定を受けてしまった。事件直後、大韓美容整形外科医師会は「(その病院は)事務長病院である可能性が高い」とする声明を出した。事務長病院とは病院を開くことができない無資格者が医師を雇って不法に運営する病院を指す。

最近5年間における中国人患の現況。患者の約40%が美容及び整形患者。 資料:保健福祉部。 //ハンギョレ新聞社

 ソウル江南の美容整形外科で患者受付と案内の仕事をしているが李氏(27·女)はハンギョレとの通話で、「韓国人には100万〜200万ウォン(約10万8千円~21万6千円、1円=9ウォン)の二重まぶたの手術を中国人には500万ウォン(約54万円)、多い時は1000万ウォン(108万円)まで取る。初めから整形手術を受けるつもりで入国するうえ、韓国医師は腕がいいと知られているので、コストが高いことを知りながらほとんどそれに応じる」と打ち明けた。間に中国人患者を誘致する仲介業者が入っているので、手術費がさらに高くなることもあるそうだ。

 保健福祉部は13日午前、企画財政部などの関係省庁とともに「医療システムの海外進出と外国人患者誘致のための支援協議体」を開き、外国人美容整形患者のための医療安全強化対策を発表した。中国など国外からの患者を集め、一定の手数料をもらって韓国内の美容整形外科などに紹介する「不法ブローカー」が暗躍し、過度の手数料と診療費の水増しなどの問題が後を絶たないうえ、大小の医療事故などで外国人患者の不満が高まっているという判断から出た措置だ。

 実際に韓国で医療紛争調整仲裁に訪れる外国人患者の相談件数は、2012年の開院以来、毎年大幅に増加している。 2012年58件だった相談事例は、2014年に129件で2倍以上増えた。このうち中国人患者の相談は、2012年36件、2013年59件、2014年99件で多くを占めている。福祉部の関係者は「中国人患者の約40%が美容整形を目的に韓国の病院を訪れるが、彼らを誘致しようとする競争が激しくなり、違法ブローカーと無資格者の手術などの問題が生じている」と話した。

外国人患者の「医療不満」相談件数。 灰色:全体外国人患者数、赤:中国人患者数。資料:韓国医療紛争調整仲裁院。//ハンギョレ新聞社

 この日、政府が出した外国人患者の安全対策は、中国など外国から美容整形患者を不法に集め、韓国内の整形外科に紹介する違法ブローカーの取り締まりや管理を強化し、外国人患者を対象に法律相談や通訳サービスなどを提供する国際患者支援センターを設立することが主な内容だ。

 政府はこのため、違法ブローカーの申告褒賞金制を導入し、今年の上半期中に違法ブローカーに対して試験的な取り締まりを行う予定である。違法ブローカー当事者だけでなく、彼らと取引を行う整形外科などの医療機関も処罰の対象になる。また、政府は多くの外国人患者が韓国の医療市場に関する情報をあまり持っていないことを悪用し、不当な利益を取るボッタクリ行為も外国人患者の誘致に否定的な影響を与えていると見て、診療費用などの情報を盛り込んだ「韓国美容整形手術診療費ガイド」を上半期中に用意し提供する計画だ。

チェ・ソンジン、パク・スジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.02.13 19:06

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/678378.html  訳H.J

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