東学農民革命の重要な記録物である『沙鉢通文』(サバルトンムン・写真)を東学農民革命記念財団が寄託を受け原本を公開できることになった。
東学農民革命記念財団は、沙鉢通文を所蔵していたソン・テンニョル氏(65)がこれを財団に寄託したと11日明らかにした。沙鉢通文は主謀者が分からないよう、沙鉢(どんぶり)を俯せて描いた円を中心に参加者の名前を放射状に書いた文書だ。 沙鉢通文は東学革命が起きる直前の1893年11月、全※準(チョン・ボンジュン ※は王篇に奉)をはじめとする東学幹部22人が古阜郡西部面竹山里(現、全羅北道井邑市古阜面新中里)のソン・トゥホの家に集まって作成した。
横42センチ、縦30センチ大の沙鉢通文は「古阜城(コブソン)を壊して郡守チョ・ビョンガプを殺すこと、軍器廠と火薬庫を占領すること、郡守にへつらい民には貪欲で暴虐な役人どもを懲治すること、全州城(チョンジュソン)の全羅監営を陥落させ、ソウルに直ちに向かうこと」という内容が書かれている。
この沙鉢通文は井邑市古阜面新中里のヨ山宋氏の家の床下に埋められていた家系図の中から1968年に発見された。 1980~90年代の10年間、天安市の独立記念館に一時的に寄託されていたが所蔵者のソン氏に返還された。 この沙鉢通文は、東学革命が計画的な革命運動であったことを示す証拠であり、残っている東学遺物の中で最も価値あるものと評価されている。 井邑市古阜面のチュサン村には寄託者ソン氏の祖父ソン・ギテを中心に沙鉢通文署名者の子孫が参加して1969年に建設した東学革命謀議塔がある。
寄託者のソン氏は、東学革命の主導者として参加したソン・トゥホが1891年に東学の高位職である校長に任命された文書など4点も共に寄託した。 ソン氏は「価値ある遺物である沙鉢通文を多くの人が見て、革命精神を継承する契機にして欲しい」と話した。
イ・ビョンギュ財団研究調査部長は「沙鉢通文は革命の主導勢力が残した唯一の記録物という点で価値が高い。沙鉢通文をはじめとする革命の記録物を世界記録遺産に登載する方案を推進する」と話した。