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[書評]愚かなる自民党安倍政権

登録:2015-01-29 23:26 修正:2015-01-30 07:44
ハン・スンドンの読書無限
『いま、日本共産党』(原題『日本共産党とはどんな党か』)志位和夫著、ホン・サンヒョン訳, イマジン編(2013年) //ハンギョレ新聞社

『いま、日本共産党』(『日本共産党とはどんな党か』新日本出版社2007年刊)
志位和夫著、ホン・サンヒョン訳、イマジン編(2013年)

 今月27日、アウシュビッツ収容所解放70周年を迎えアンゲラ・メルケル ドイツ首相は「ナチの蛮行を記憶することはドイツの永遠の責任」として忘れないことを再確認した。

 その日、日本の朝日新聞は社説で、その前日の定期国会開院を控え安倍晋三首相がNHK放送に出演し行った発言を問題視した。「植民地支配や侵略という文言を引き継ぐか」という司会者の質問に、安倍はこのように応えた。「今まで重ねてきた文言を使うかどうかではなく、安倍政権としてどう考えているのかという観点から談話を出したい。(…)今までのスタイルどおりに使うことになれば『今まで使った言葉を使わなかった』、あるいは『新しい言葉が入った』というこまごまとした議論にならないよう、70年の談話は70年の談話として新たに出したい」。

 要するに今まで使ってきた言葉を繰り返したくないということだ。 その言葉とは、日本が敗戦50年を迎えた1995年に出された村山談話と2005年の小泉談話で使った「植民支配と侵略でアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えた」、「痛切な反省」、「心からの謝罪」を指す。 日本軍慰安婦動員過程の強制性を認めた1993年の河野談話もそこに含まれるかもしれない。

 そのような議論を“こまごまとした”ことだとした安倍首相の話を、朝日新聞社説は「驚くべき発言」として批判した。 その内心が明らかなためだ。

 米国務省報道官が5日の定例ブリーフィングで「私たちが何度も言及したように村山元総理や河野元官房長官が発表した謝罪は、日本が周辺国との関係改善をしていく過程で大きな役割を果した。私たちは日本が周辺国と歴史を巡る憂慮を対話を通じて友好的な方式で解決して欲しい」とした話も同じことだ。

 日本の自民党政治の“三つの異常な特質”を、過去の侵略戦争を正当化する異常、アメリカいいなり政治の異常、極端な大企業中心主義の異常と要約したのは志位和夫日本共産党委員長だ。 衆議院の多選議員でもある志位委員長は、2007年に書いた著書『日本共産党とはどんな党か』((韓国版タイトル『いま、日本共産党』)で、日本が朝鮮半島に対して犯した三つの罪に言及した。第一に、朝鮮半島分断を招いた一端の責任。 第二に、韓国民の民主主義と国民主権主義体験機会の剥奪により長期独裁の土台を作った責任。第三に、許されざる植民支配自体の責任。

 志位委員長はそれと共に、安倍政権が日本の平和憲法第9条を廃棄しようとしている理由を、米日同盟の強化とそれを土台にした対外介入戦略の強化に求めて、それを米国が推奨しているとして批判した。 日本の改憲の動きの背後には米国があるという話だ。米国が安倍政権に村山談話を継承しろと圧迫するのは、村山談話の修正で韓国などの反発が高まる場合、改憲を推奨した米国として困ることになり、韓米日共助体制(三角同盟)が危険になるためだ。ずる賢い二重プレーだ。

ハン・スンドン文化部先任記者。 //ハンギョレ新聞社

 『日本共産党とはどんな党か』はそのような構造と力学関係の本質を明瞭に整理している。先日の総選挙で日本共産党が躍進したのには理由がある。

 70年間、過ちを犯したとして謝罪を繰り返すドイツと、70年が過ぎて過ちはなかったとして、すでにある謝罪までも否認しようとする日本自民党。 これは戦略というよりは頭の次元の問題のようだ。 そのようにして敵を武装解除させたドイツが賢明だとすれば、日本の右派は愚かと言うべきか。そうでなければ、愚かなフリをしても得るものは得ようということなのか。

ハン・スンドン文化部先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/675981.html 韓国語原文入力:2015/01/29 20:51
訳J.S(1629字)

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