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北朝鮮、韓国国会の「対話再開決議文」受け取り拒否

登録:2015-01-09 22:20 修正:2015-01-10 06:06
関係硬直の責任北朝鮮にあるとの内容
北朝鮮、引き続き対北朝鮮ビラ撒き中断要求
2014年10月10日脱北者団体の自由北韓運動連合会員らが京畿道坡州市の統一トンサン駐車場で対北宣伝ビラの風船を飛ばしている。坡州/パク・ジョンシク記者 //ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が連日、北朝鮮ビラ撒き中断など南北対話再開に向けての雰囲気づくりを韓国政府に迫っている。遅れを取った韓国政府も南北関係硬直の責任が北朝鮮にあるとの内容の「南北対話再開を促す国会決議文」を渡そうとするなど、対話の再開をめぐる南北間の「神経戦」が加熱している。

 北朝鮮の労働党機関紙『労働新聞』は9日、「北南関係における大転換、大変革を成し遂げなければならない」とのタイトルの記事で、「統一の志向と念願に見合うよう、不信を助長し、衝突の原因となるすべての要因を大胆に除去しなければならない」とし、韓米合同軍事訓練と対北朝鮮ビラ撒きの中止を要求した。これに先立ち北朝鮮は7日と8日にも、国防委員会スポークスマン談話と各級社会団体談話を通じて、韓国政府が南北関係の改善に積極的に乗り出すことを促した。

 これに対抗し、韓国政府は9日、国会の「南北対話再開を促す決議文」を北に渡そうとしたが、北が受け取りを拒否した。先月9日国会を通過した決議文には、「硬直した南北関係が北朝鮮の軍事的行動などにより持続していることについて遺憾に思う」とし、北朝鮮が対話に応じることを促す内容が含まれている。南北関係の硬直責任を互いになすりつけ、北朝鮮は「先に韓国側が対話に向けての雰囲気づくりをしろ」と要求して、韓国側は「すぐ対話の場に出てきなさい」とし、攻防を繰り広げている形だ。

 北朝鮮の攻勢は、12日行われる予定の朴槿恵(パク・クネ)大統領の新年記者会見に向けて、対北朝鮮ビラ撒きに関連し、韓国政府のより明確な立場表明を引き出そうとする意図があるものと解釈される。ヤン・ムジン北朝鮮大学院大学教授は「韓米軍事訓練は一種の名分提起」とし、「大統領が新年会見で対北朝鮮ビラ問題に対し前向きなメッセージを送る場合、(北朝鮮は)すぐに南北対話に応じると思われる」と述べた。

 大統領の新年記者会見で対北朝鮮ビラ撒きに関連して直接または間接的なメッセージが盛りこまれるかどうかは不透明だ。政府は、とりあえずリュ・キルジェ統一部長官が前日「住民安全」のため対北朝鮮ビラ撒き抑制に乗り出すことを示唆したことで、ある程度誠意を見せたのではないかという判断をしているものと見られる。

 南北が事前の神経戦に没頭し対話再開ための適切なタイミングを見逃すのではないかという懸念も高まっている。チョン・ソンジャン世宗研究所首席研究委員は、「政府は今からでも対北朝鮮ビラ撒きの制止のためのより積極的な立場を示すのが望ましい。北朝鮮も本当に南北関係の改善を望むのであれば、当局間対話には早急に取り組まなければならない」と述べた。

ソン・ウォンジェ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/01/09 17:33

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/672968.html  訳H.J

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