韓国政府は30日、統一準備委員会による前日の南北会談提案を受け入れることを北朝鮮に繰り返し促した。 北朝鮮は会談提案に対する公式反応は出していないが、労働党機関紙『労働新聞』を通じて統一準備委員会を強く非難した。
リュ・キルチェ統一部長官はこの日、政府ソウル庁舎で開かれた統一準備委員会政府委員協議体2次会議での冒頭発言で「昨日の提案は梗塞している南北関係を解いていこうとする真正性を含んでいる」として「北朝鮮が枠組みと形式にしばられず、我々の考えを受け入れることが必要で、そう出来ることを期待する」と明らかにした。 リュ長官は「来年は分断70年であり、南北関係に転機を作ることが必要で、転機が作られてこそ政府と大統領が意志を持って行う統一準備に実質的効果があるのではないかと考え(南北会談を)提案した」と話した。
ユン・ビョンセ外交部長官、ファン・ギョアン法務部長官、キム・キュヒョン国家安保会議(NSC)事務局長、パク・チャンボン民主平和統一事務局長など統一準備委員会政府委員は、この日の会議で△南北民間交流の拡大△人道的問題の根本解決△非武装地帯(DMZ)世界生態平和公園造成作業の具体化△南北開発協力の推進をはじめとする来年度重点推進事業の実現方案などについて議論した。
北朝鮮の労働新聞は30日付6面に掲載された「体制統一の犬の夢に捕われて」という題の記事で「南側当局が体制対決を本格化する意図の下に、統一準備委員会というものを作り出した」として、統一準備委員会に対する露骨な反感を示した。 新聞は特に統一準備委員会が準備中の統一憲章に対して「北を侵略する野望を実現しようとする危険な戦争文書」と規定して「傀儡反逆徒党の反統一犯罪行為を歴史と民族は徹底的に決算するだろう」と主張した。 新聞はまた「南側当局が大統領直属機構として作った国民大統合委員会と統一準備委員会に反共和国ビラ散布団体を引き込んだ」として、統一準備委員会を非難した。 また別の記事では、朴槿恵大統領を「スカートを履いた独裁狂」と露骨な非難もした。 しかし統一準備委員会の南北対話提案に対しては特別な言及はなかった。
ヤン・ムジン北韓大学院大学教授は「北朝鮮は労働新聞を通じて(ビラ散布の中断など)対話のための雰囲気造成を迂回的に強調したものと見られる」として「要求事項を投げかけて南側の真正性を見極めた後に自らの立場を整理しようとする探索の動きと見られる」と話した。