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政党解散審判で岐路に立たされる韓国の民主主義

登録:2014-12-18 23:40 修正:2014-12-19 05:25
憲法裁判所、前例なき統合進歩党政党解散審判 19日に決定
5期裁判官 保守色濃厚…“歴史的選択”大きな波紋 予告
憲法裁判所裁判官の顔ぶれ。 //ハンギョレ新聞社

「韓国の民主主義の将来が決定される」。19日、憲政史上初の政党解散審判事件の結論が出る。 審判台に上がったのは“従北”問題の主人公である統合進歩党だけではない。 民主主義法学研究会は18日、声明を出し「憲法裁判所の決定は大韓民国の憲法体制が後に退行するか、民主化の成果を強固に確認する契機になるか、重大な岐路になるだろう」と明らかにした。

 大韓民国建国以来1958年に進歩党が解散させられ、61年の5・16クーデターと80年の新軍部クーデター直後にも政党が解散させされた。 全て独裁政権が銃刀などを動員した強圧により政治的反対者を除去したケースだ。 民主化運動の結果である1987年改正憲法で翌年に憲法裁判所を作り、憲法に政党解散制度を導入した理由が執権勢力の攻撃から小数政党を保護するためだ。 憲法が保障する思想の自由、表現の自由、結社の自由を憲法裁判所が再確認するのか、あるいは憲法裁判所が自己否定に出るのか、この日の宣告で明らかになる。 法務部が“代理人”として出たが、憲法的価値を深刻に否定した朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の娘である朴槿恵(パク・クネ)大統領が事実上の今回の事件の“請求人”と言える点、宣告日が朴大統領当選2周年の日という事実は、今回の宣告の政治的意味をより一層明確にする。

 そのため市民の目はこの日午前10時にソウル斎洞(チェドン)の憲法裁判所大審判廷に着座する裁判官9人に集中せざるをえない。 9人中6人が賛成すれば進歩党は直ちに解散手続きに入る。

 進歩党の政党解散審判事件を審理してきた5期憲法裁判官は保守指向が目立つことで定評がある。 裁判官は大統領指名3人、大法院(最高裁)長指名3人、国会選出3人(与野党各1人、与野党合意1人)で構成されている。2011年に当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が裁判官に指名し、昨年検察出身としては初めて憲法裁判所長の座に上がったパク・ハンチョル所長は、最高検察庁公安部長出身だ。

 憲法裁判所内外には“戦雲”が漂っている。 進歩党は宣告日が公開された17日から党職選挙日程を中断し、解散反対闘争に突入した。 18日午後、憲法裁判所前には警察3個中隊の約240人が配置された。 いかなる方向で結論が出ようが、それに反対する勢力の激烈な抵抗が予想されるためだ。 宣告日には憲法裁判所周辺で進歩・保守団体がそれぞれ数百から千人が参加する記者会見と集会を開くと予告している。

 憲法裁判所は内部的にはすでに結論が出された18日にも非公式評議を開き、決定文の文面修正などを議論したと言う。 2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領弾劾事件、行政首都事件以来10年ぶりに最も緊張した雰囲気だ。 裁判官は事務室外に姿を見せず、電話も受けないなど、きわめて敏感で慎重な態度を見せた。

 ソン・ギチュン全北大学法学専門大学院教授は「憲法裁判所が政党解散を決めるならば、多様な考えを持つ人が共存する民主主義で多数が少数の政治的市民権を剥奪することを意味する。 憲法裁判所の決定は多様性と寛容を土台にした民主主義の将来を決定する重要な契機となるだろう」と話した。

イ・ギョンミ、キム・キュナム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/669813.html 韓国語原文入力:2014/12/18 22:05
訳J.S(1511字)

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