戦時作戦統制権転換再延期を外交委国政監査で論議
「29日の大統領施政演説の際に説明すべき」と注文
「軍事主権献納」の批判に「公約は変わることがありうる」
ハン国防長官「転換の意志は確固」
27日、国会で開かれた外交統一委員会の外交部国政監査で、戦時作戦統制権(戦作権)転換の再延期に関して、ユ・スンミン セヌリ党議員が「公約破棄」であるとして「大統領が直接国民に説明しなければならない」と話した。
ユ議員はこの日の国政監査で「戦作権が(2015年12月に)転換されるということは、我が党候補の大統領選挙公約であったし、当選者直後の大統領職引継ぎ委員会報告書だけでなく、大統領就任後の国政課題報告書にも入っている」として、このように話した。 ユ議員は「わけもなくこういうことで大統領が窮地に追い込まれるようにせず、指導者が国民に直接『現在の国防力量と北朝鮮脅威のためにそうした』と説明すれば、反対のための反対をする人々以外は大多数が同意する」とし「大統領が数日後(29日)の施政演説をする際に説明することが望まれる。 そう大統領に建議してほしい」とユン・ビョンセ外交長官に注文した。
ユ議員の主張は、安保環境の変化などで戦作権転換の再延期が避けられなかったので、これを国民に率直に明らかにし了解を求める方式で問題を解決しろということで、ユ議員も戦作権転換の再延期を支持するという意図と読まれる。 だが、与党議員が今回の戦作権転換再延期を「(朴大統領の)公約破棄」と規定したことは初めてだ。 大統領府は24日に戦作権転換再延期に関して「公約破棄ではない」と強弁した経緯がある。 ユ議員は「戦作権のような重要な安保上の問題は、長官がサインしたことで済む話ではない。 なぜ堂々とできないのか。 正しいと判断したうえでのことではないのか」と声を高めた。 ユ議員は24日の統一部国政監査でも「戦作権転換再延期は、大統領選挙公約の破棄であるから、大統領が明確に立場を明らかにしなければならない」と話した。
一時は核心的な‘親朴’(親朴槿恵)だったユ議員は、7日の外交部国政監査で朴大統領のニューヨーク国連総会訪問期間に 「中国傾倒論」の内容が含まれた発言資料を事前配布して取り消したことについて「大統領府の ‘子供たち’がしたことですか」と鋭く言い放った。 8日の統一部国政監査では、訪韓した北側実力者3人組が韓国側の提案にもかかわらず大統領府礼訪を拒否したことに関して「国家安保室長、外交長官、統一長官、秘書室長がみな集まって、ようやく絞り出した悪知恵がたったそれだけですか。 そんなにナイーブ(純真)なのか」と批判したことがある。
ユン長官はユ議員と野党議員の度重なる「公約破棄」追及に「破棄だ、破棄ではないという問題ではなく、安保関係の変化にともなう決定と見る」という形で明確な返事を避けた。
この日の国防委国防部国政監査では、戦作権転換再延期に対する野党議員の叱責が相次いだ。 アン・キュバク新政治民主連合議員は「軍事主権を放棄した魂のない合意」と批判し、同党のチン・ソンジュン議員も「軍事主権を他国に献納した第2の乙巳保護条約」と比喩した。 しかし、与党議員は戦作権転換再延期について積極的擁護に出た。 キム・ソンチャン セヌリ党議員は、戦作権転換再延期を「歴史によって評価されること」と言い、同党のハン・キホ議員も「状況が変われば公約も変わりうる」と話した。
ハン・ミング国防部長官はこの日の答弁で、戦作権転換を事実上無期限延期したのではないかという指摘に対して「韓国軍には戦作権転換に対する確固たる意志がある」として、戦作権転換を支障なく推進すると明らかにした。