検察がセウォル号事故当日、朴槿恵(パク・クネ)大統領の7時間の行動に疑惑を提起した産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(48)を朴大統領の名誉を傷つけたとし在宅起訴した。 大統領に対する疑惑提起をした外信記者を起訴した事例は前例がなく、外交摩擦など論議が予想される。
ソウル中央地検刑事1部(部長 チョン・スボン)は8日、セウォル号事故当日に朴大統領がかつて秘書室長だったチョン・ユンフェ氏に会っていたのではないかという疑惑を提起した容疑(情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律違反の名誉毀損)で加藤前支局長を在宅起訴した。
加藤前支局長は8月3日に「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」という題の同紙ウェブサイトの記事で、証券街関係者の話を引用して「(疑惑は)朴大統領の男性関係に関することだ。 相手は大統領の母体であるセヌリ党の側近で、当時は妻帯者だったという」などの内容を報道した。
検察は「当事者および政府関係者を相手に最小限の事実確認も行わず、あたかも朴大統領がセウォル号事故当日にチョン・ユンフェ氏と共にいて、チョン・ユンフェ氏またはチェ・テミン牧師と親密な男女関係であるかのように虚偽の事実を報道し、朴大統領とチョン氏の名誉を傷つけた」と明らかにした。 検察は加藤前支局長とチョン氏らを調査した結果、チョン氏が事故当日に朴大統領と会っていたという内容は事実ではないと結論を下した。
この日、ソウル外信記者クラブは、キム・ジンテ検察総長に書簡を送り「検察の起訴決定が言論の自由な取材権を侵害する素地があるという点で深刻な憂慮を表わす」と明らかにした。