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韓国で古本屋協同組合が誕生

登録:2014-10-03 22:28 修正:2014-10-04 07:07
全国本屋協同組合の連合売場//ハンギョレ新聞社

組合員25人、初めての事業として
金浦(キンポ)に180坪の連合売場を開く
毎週木曜日 一般人に開放

 韓国の“ヘイ・オン・ワイ(Hay-on-Wye)”を夢見る人々が京畿道金浦(キンポ)に大型の連合古本売場を開店した。

 クク・ヨンヨン(清渓川(チョンゲチョン)古書店)、アン・ミョンハク(中東書籍)、イ・ジョンヒ(金浦書店)、ユ・ギョンヨン(集賢殿)、ユン・ハンス(南門書店)など首都圏の古書店主25人は、このほど「全国本屋協同組合」(組合長 クク・ヨンヨン)を設立し、その最初の事業として京畿道金浦市坎井(カムジョン)洞477-15に180坪の大型連合古本売場(写真)を開いた。 ソウル東廟(トンミョ)と新村(シンチョン)一帯、釜山宝水(ポス)洞など、自然発生的古書店密集地域とは異なり、古本屋の主人が一か所に連合売場を出すのは今回が初めてだ。

 店主たちが連合売場を出したのは、極めて厳しい“春窮”を共に乗り越えるため。 インターネット・スマホの普及により読書人口が減り、出版数が急激に減った上に、初版印刷が500部まで減り古本の供給物量が根本的に変わった。 2011年にはインターネット書店の「アラジン」が中古書店を兼業し、事情はさらに悪化した。 売値の50~55%で購入することで“新古本”がアラジンに集中するようになり、既存の古本屋に干ばつが襲ったためだ。現在、アラジンはソウルに7店舗、12地域に約30店舗の支店を出して営業している。 クク・ヨンヨン組合長は「アラジン古本店の近くにある古本屋が打撃を受け、最近3~4か所が閉店した」として「このままじっとしていれば誰にも知られずひっそりと廃業するほかはなく、連合で売場を開設することにした」と話した。 組合の設立と連合売場に参加した本屋25店は、ソウル、京畿道、仁川市など首都圏に集まっているのが特徴。クク組合長は「まず首都圏の意思のある経歴20~30年の古本屋主人が中心となったが、今後は全国的に参加者を拡大していく計画」と説明した。

 連合売場ができたところは、金浦市郊外の旧農産物倉庫。 サンドイッチ パネルの長方形の建物の中央部を通路にして、両側に5~20坪の書店15店が売場を設けた。 7月11日に倉庫を賃借し、区画を分けた後に本を入れて、約二か月で形を整え一般に公開した。 当初の構想は経費節減のための物流倉庫。 個別古本屋の主人たちが余分の本を共同で保管し、一週間に一回集まって隣家と卸価格で本を交換した。 だが、本屋の主人だけの倉庫として使うには惜しく、古書マニアにも同じ条件で開放することにしたわけだ。 開放日は毎週木曜日午前10時~午後6時。 36万冊を収容できるが、現在は10万冊内外の在庫がある。 倉庫として始めたために看板もなく、各自の区域に書棚に入れたり、床に積んだりしている。

 本の種類が多様で価格が安いのが特徴。 水原(スウォン)市から来たキム氏は「性格が異なる地で集まった古本が一か所に集まっているため、本が非常に多様だ。 何よりも市中の古本屋よりはるかに安い卸値で本を購入できる利点がある」と話した。 交通が不便なのが玉に瑕。 ソウル永登浦(ヨンドンポ)から仁川黔丹(コムダン)を5~12分間隔で運行する60番バスに乗り、金浦市ワールドアパート前で下車するのが便利だ。 空港鉄道の桂陽(ケヤン)駅または黔岩(コマム)駅で下車しタクシーで移動することもできる。

 組合は「売場を週2回からいずれ常時開放体制に変える予定」であり「電車で容易に行ける所に3000坪規模の売場を開くのが夢」と説明した。

文・写真 イム・ジョンオブ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/658026.html 韓国語原文入力:2014/10/02 21:20
訳J.S(1686字)

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