本文に移動
全体  > 文化

世界の協同組合研究者がクロアチアで一堂に会し学術交流

登録:2014-09-30 21:04 修正:2014-10-01 06:38
国際協同組合連盟研究会議(ICAリサーチ カンファレンス)に参加した研究者たちは、クロアチアのプーラ市内にある協同組合の現場を訪問し、各自の所感を交流し合う時間を持った。 聖公会大大学院協同組合経営学科 提供//ハンギョレ新聞社

ICAカンファレンス参加記

 協同組合研究者の最も大きな交流の場であり祝祭とも呼ばれ「‘国際協同組合連盟研究会議」(ICAリサーチ カンファレンス)が6月25日から4日間、クロアチアのプーラで開かれた。

 この行事を単純な学術行事ではなく協同組合研究者の祝祭と称する理由は、多様な協同組合研究者間の学術交流にある。 既成の研究者だけでなく若い協同組合研究者と現場の専門家、そして大学生までが交わって協同組合関連知識を探求し共有する場として名声が高い。 カンファレンスの開始に先立ち行われる“青年研究者の集い(Young Scholars Workshop)”はこのような特性をよく示す代表的な集いだ。

 今年のワークショップ共同主催者であるユライ・ドブリラ大学のMilford Bateman教授は「なぜ協同組合は政府の支援対象から除外されなければならないのか?」という意味深長な主題発表で注目を集めた。 私企業には法人税をはじめ各種の支援策を絶えず出しておきながら、唯一協同組合に対してだけは自律と独立を理由に支援策を用意しないことに対する不当性を提起した。 グローバルな大企業も政府の支援を踏み台にして革新を成し遂げており、社会革新を指向する協同組合もやはり政府の支援が重要だということが発表の要旨であった。

 英国ケンブリッジ大学チャン・ハジュン教授の基調演説を始め、国家別事例、農業と金融など協同組合の類型別事例、制度と教育、そしてネットワークなどの協同組合基盤研究など3日間で46のセッションが進行された。 聖公会大学大学院協同組合経営学科からは、教授2人、修・博士課程の学生6人が教育関連セッションに発表者として参加した。

 まず、協同組合教育の発展方向に関する発表で、マンチェスター メトロポリタン大学のジョアナ・デニスは、2008年以後現在までにすでに英国内の中等学校のうち協同組合学校(Co-operative School)が700校を超えたと話した。 教育課程に協同組合関連教の科目を追加し、協同組合ガバナンス モデルを学校に適用させることが重要だと言及した。 過去のように地方政府が学校を管轄し支配する方式から離脱し、個別学校が地域社会と生徒、教師など多様な利害関係者を学校運営理事会に含ませるガバナンス革新が活発に起きていると説明した。

 大学運営に協同組合概念を直接導入した研究も興味深かった。 英国ローハンプトン経営大学院のリベカ・ポドゥン教授とキャサリン・ブチョ博士は、大学が協同組合運営原理に適合した公共組織だと主張し、現在ヨーロッパ連合の支援を受けて研究中である“知識経済大学(UNIKE:Universities in the Knowledge Economy)”プロジェクトを紹介した。 大学は社会・経済・文化的側面で公共知識サービスを生産し提供しなければならない使命を担っているだけに、多様な利害関係者間の共同所有モデルを採択することが効果的という主張だった。

 多様な研究者が集まっただけに研究発表に対する自由な討論が活発に続いた。 特に、協同組合大学と関連しては懐疑的な視角も少なくなかった。 協同組合大学を作るためには、ガバナンスだけでなく資源調達方式と運営原理まですべてのシステムが変わらなければならないが、これは現実とは距離が遠い理想に過ぎないということだった。

 カンファレンスの終わり頃、印象深い一つの場面があった。 カンファレンス初日の夜、カナダ出身の世界的な協同組合研究者である故イアン・ハクファーソン教授を賛える行事の時だった。 既成の研究者と青年研究者が一緒に集まり世界的な碩学の業績と思考について意見を交わしていた。 今回のカンファレンスが単純に知識と学問を分かち合う場を越えて、暖かく人間臭さにあふれた祝祭として記憶させられた私の心の中のワンカットだった。

チャン・スングォン聖公会(ソンゴンフェ)大学大学院協同組合経営学科教授

https://www.hani.co.kr/arti/economy/heri_review/657549.html 韓国語原文入力:2014/09/30 11:44
訳J.S(1888字)

関連記事