水原(スウォン)地検公安部(部長 チェ・テウォン)は、国家保安法違反の疑いで告発された水原サムスン ブルーウィンズの鄭大世(チョン・デセ)選手(30)に対して無嫌疑処分したと30日明らかにした。 検察は昨年6月、韓国インターネットメディア協会(会長 ビョン・ヒジェ)が「鄭大世は過去に外国の放送などで『金正日を尊敬しており信じて従う』、『わが祖国は北朝鮮』と話すなど、北朝鮮を称賛し国家保安法に違反した」として提出した告発状を受け付け捜査してきた。
検察は「鄭選手の言動が、大韓民国の存立・安全と体制を威嚇したり、または威嚇しようとしたと見る証拠が不十分だ。 鄭選手の立場を多方面から十分に聞き、特殊な成長背景も考慮した」と無嫌疑処分の理由を説明した。
在日同胞出身の鄭選手は、韓国籍を持つ父親と解放前の朝鮮籍を維持している母親の間に生まれ、韓国籍を取得した。 しかし、日本で朝鮮総連系の学校を卒業し、2007年6月に北朝鮮代表チームに抜擢され2010年の南アフリカ共和国ワールドカップに出場した。 当時、鄭選手は国際サッカー連盟(FIFA)の仲裁により、韓国籍でありながら北朝鮮代表チーム選手として出場できるよう許諾を受けており、北朝鮮のパスポートも持つことができた。 このために昨年初め、水原サムスンと契約して国籍論議が起きることもあった。