本文に移動

現代自動車の非正規雇用労働者、まさかの勝訴判決に「耳を疑った!」

登録:2014-09-20 11:26 修正:2014-09-20 13:42
社内下請け労働者900人余、11年目にして“正規職”の判決
「済まない、本当に済まない…」前支部長、地面に座り込み嗚咽
「結果がもう少し早く出ていたら、もっと良かったのに」という思いも
オム・ギルチョン現代自動車蔚山第1工場代議員(左)とパク・ヒョンジェ元現代自動車蔚山非正規職支部長が18日午後、ソウル中央地裁前で現代自動車に対する労働者地位確認訴訟で勝訴判決後、喜びを分かち合っている。パク・チョンシク記者//ハンギョレ新聞社

「労働者派遣の関係は、原告全員に対して認める」

 18日午後1時50分頃、ソウル瑞草区(ソチョグ)のソウル中央地裁民事法廷東館562号。現代自動車を相手に労働者地位確認訴訟を起こした数百人の原告名簿の上に裁判長の言葉を書き取っていたチョン・ウィボン氏(33)の手が止まった。46席の法廷に2倍近い人々が集まったために座ることもできず立ったまま聞いていた解雇4年目のファン・ホギ(42)氏の顔に笑みが花のように咲いた。

 「全部勝った」「全勝」 「全員勝訴だ」10分で宣告が終わると、法廷から出てきた金属労組現代自動車非正規職支部の組合員らは互いに抱き合い、あふれる喜びを隠せなかった。外に出てきたチョン氏も「裁判所がラインを区別せず全てを不法派遣と認めた。自分が聞き間違えたかと一瞬耳を疑った」と言って喜んだ。ファン氏は「結果がもう少し早く出ていたらもっと良かったのに」と残念がった。一部の組合員たちは互いに「苦労したな」、「これで終わった」と言いながら涙を拭っていた。

 法廷に向かう途中で宣告結果を伝え聞いたファン・インファ(37)氏は、裁判所の外のハンスト座り込み場に走って行って叫んだ。「おい、全部勝ったぞ!」 2010年に「非正規職撤廃」を叫んで焼身を試みたファン氏の顔には今も火傷の痕がある。ファン氏の火傷は「不法派遣の正規職化」を叫びながら10年を闘ってきた現代自動車の社内下請け非正規職労働者全員の傷痕でもある。

 現代自動車の非正規職労組は2003年に初めて生まれた。「不法派遣の正規職化で人間らしく生きたい」と言って、社内下請組合員たちは2004年当時の労働部に陳情を出した。労働部は不法派遣を認めたが、検察は不法派遣の使用主を処罰する法律があるにもかかわらず、2006年に嫌疑無しとした。労働部と検察の傍観の中、非正規職支部は2010年に25日間のスト、2013年には296日の鉄塔籠城など闘いを続けた。非正規雇用労働者の要求に下請業者は114人を解雇し、元請の現代車は682人を相手に374億ウォンの損害賠償を請求した。 リュ・ギヒョク、パク・チョンシク、 二人の社内下請け労働者が自ら命を絶った。

 負けてばかりいた闘いに一筋の光が差し込んだ。2010年7月、最高裁は現代車の社内下請け労働者チェ・ビョンスン氏が提起した訴訟で、不法派遣を認めた。それを機に組合員数が大きく増えた。同年11月、現代自動車の社内下請け労働者1900人余りが、現代自動車を相手に労働者の地位確認訴訟を起こした。3年間待ち、さらに2回の一審判決延期の中で、 牙山(アサン)と全州(チョンジュ)の非正規職支部は現代自動車と“正規職化”ならぬ新規採用に合意し、1964名だった訴訟参加者も1100名まで減った。それでも“不法派遣の正規職化”を放棄することができなかった組合員たちは、11年の待望の末に全員が不法派遣の認定を受けた。

 「10年の間、闘争しながら殴られ、拘束され、解雇された同志たちに済まなくて、(チョン)ウィボンと(チェ)ビョンスンが鉄塔に上ったことも済まないし、申し訳ないことがあまりにたくさん思い出されて…」「判決を延期しないでほしい」と訴えてこの日でハンスト8日目のパク・ヒョンジェ前蔚山非正規職支部支部長は、ついに座り込んで嗚咽した。「不法派遣を撲滅し、正規職転換を勝ち取ろう!」 彼の涙を拭おうとするように、組合員らの叫び声がますます大きくなっていった。

イ・ジンファン現代自動車非正規職支部首席副支部長(中央)など現代自動車の非正規雇用労働者たちが18日午後、ソウル中央地裁前で現代自動車に対する労働者地位確認訴訟で勝訴後、喜びを分かち合っている。パク・チョンシク記者//ハンギョレ新聞社

キム・ミンギョン (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/655855.html 韓国語原文入力:2014/09/19 09:02
訳A.K(1996字)

関連記事