登録 : 2014.09.15 19:51 修正 : 2014.09.16 07:09

火災現場で鎮火作業中の消防士。カン・ジェフン先任記者//ハンギョレ新聞社

「昼夜別なく遺体が目に浮かぶ」…昨年 相談・治療 1841人
 悲惨な事故現場に反復的に露出、トラウマの危険性は一般人の6倍
人員不足のため治療をためらい…勤務環境の改善・心理治療を拡大すべき

 首都圏のある消防署に勤務するK氏(35)は、7月から精神科の治療を受けている。いつからか、目を閉じれば派遣されていた珍島(チンド)ペンモク港の惨状がよみがえるからだ。 K氏は「檀園(タンウォン)高校の生徒の遺体を救急車に乗せて、生徒の父親と一緒に安山(アンサン)まで行ったことがあった。犠牲になった生徒の顔と嗚咽する父親の声が頭を離れない。 夢にも見る」と語った。何か問題があるとは感じたが、「妻が心配するし、同僚にも荷物になりそうなので」周りに打ち明けることはできなかった。K氏は結局、外傷性ストレス障害とうつ病、睡眠障害の診断を受けた後、やっと相談や薬物治療を受け始めた。

 他の地域で働く消防士N氏(30)も最近、夜眠れない。彼は「最近、自殺関連事件で出動することが多かったんですが、昼夜別なく遺体がしきりに目に浮かぶんです。心理的にとても辛かった」という。それでもN氏は「私が休めば残った仲間たちがそれだけ大変になる」と言った。

 新政治民主連合ノ・ウンネ議員が14日、消防防災庁から受け取り公開した資料を見ると、職業特性のために悲惨な事故現場を繰り返し目撃せざるを得ない消防士たちが、心的外傷性ストレス症候群とうつ病などで自ら命を絶つ事例が最近5年間で37人に達した。毎年7.4人の割合だ。

 このような状況で精神的・心理的問題を自覚し、自ら精神疾患相談と治療を受けようとする消防士もわずか1年で5倍近くに急増した。消防防災庁の「消防公務員心理相談および検査現況」を見ると、外傷性ストレス症候群などの精神疾患と心理問題で相談・検査・治療を受けた消防士は、2012年の388人から昨年1841人へと4.7倍も増加した。消防防災庁は、一線の消防士たちを対象としたカウンセリングと治療費支援など「心理治癒プログラム」を2012年に導入したが、施行1年でこのプログラムを利用した消防士が爆発的に増加したのだ。今年上半期までに心理治癒プログラムを利用した消防士は1105人に上る。

 しかし、心理的問題に苦しみながらも相談や治療を受けられずにいる消防士は、これよりはるかに多い。消防防災庁が梨花(イファ)女子大学の脳融合科学研究院に委託して、一線の消防士3万9815人全員を調査した今年4月のアンケート調査結果をみると、一般人の外傷性ストレス障害危険群は0.6%に止まったが、消防士の危険群は6.3%(2508.3人)に達した。うつ病の場合にも、一般人の危険群(2.4%)に比べて消防士の危険群(10.8%)がはるかに多いことが分かった。しかし、心理治療が必要な消防士のうち、71%が「治療を受ける意思はない」と答えた。人事上の不利益を懸念したり、地域の消防署長の関心不足、現場の消防士不足などのために休みにくいためという理由が多いという。

 ノ・ウンネ議員は「消防業務の特性上、長時間夜間・交代勤務など業務強度が高く、精神的衝撃に脆弱なのが現実だ。精神疾患を個人の問題としてだけ見るのではなく、勤務環境の改善策などを同時に用意する必要がある」と指摘した。消防防災庁は「オーダーメード型心身安定プログラムと、訪問心理相談サービスなどを拡大している。長期的には消防専門病院を作って専門的な心理管理システムを構築する」と明らかにした。

ソン・ホギュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014/09/15 10:58
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/655186.html 訳A.K(1659字)

関連記事
  • 오피니언

multimedia

  • most viewed articles
    • hotissue